名門復活へ向けた〝大ナタ〟は、首脳陣ではなく選手たちに振り下ろされるのか。ヤンキースのハル・スタインブレナーオーナー(56)が現有戦力への不満を爆発させた。厳しい批判の一方でアーロン・ブーン監督とブライアン・キャッシュマンGMの続投を支持。この姿勢は阪神からポスティングシステムでのメジャー移籍を容認された佐藤輝明内野手(27)の獲得へ向けた〝号砲〟とも受け取れそうだ。
ヤンキースは今季、ア・リーグ東地区優勝を逃し、地区シリーズでもレイズに3連敗。2009年以来の世界一を目指した戦いは、あっけなく幕を閉じた。米メディア「ヤードバーカー」は21日(日本時間22日)、スタインブレナー氏がシーズン総括の会見で首脳陣を擁護する一方、打線のふがいなさを厳しく批判したと報じた。
同オーナーは「今季の結果や受け入れがたい結末をブーンやキャッシュマンの責任にはできない」と明言。「率直に言って、シーズンを通じて攻撃陣には失望した。得点力が非常に不安定だった」と怒りをにじませた。さらに「責任の大部分は、安定して得点できなかった野手にある」と断じたという。
象徴的だったのがレイズとの地区シリーズだ。主砲アーロン・ジャッジを故障で欠いた打線は、第1戦で零封され、残り2試合も計5得点。3試合を通じて一度もリードを奪えず、屈辱のスイープ負けを喫した。
一方、スタインブレナー氏はキャッシュマンGMを「優れたリーダーで非常に聡明」と高く評価。新契約での残留にも合意した。自ら編成した打線の不発を問われながら、GMの座を守った意味は大きい。求められているのは首脳陣の刷新ではなく、勝てる戦力への組み替えというわけだ。
そこで存在感を増すのが佐藤だ。今季は打率3割6厘、39本塁打、106打点で三冠王。ヤンキースは以前から獲得に関心を示していると複数の米主要メディアが報じており、三塁の攻撃力向上も急務となっている。左打者に有利な本拠地ヤンキー・スタジアムとの相性も魅力だ。
ジャッジを孤立させない新たな大砲を日本から迎え、停滞する打線に刺激を与える。佐藤獲得に前のめりとみられるキャッシュマンGMを残した判断も〝帝国再建〟へ向けた補強攻勢の布石と映る。オーナーの厳命を受けた名門が、虎の主砲を巡る争奪戦で本気を見せるのか。












