ダイアナ妃の伝説的ないわゆる「復讐のドレス」が、1994年6月にロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで行われたチャリティーパーティーで初めて着用して以来、2度目のオークションに出品されることが明らかになった。予想落札価格は15万ドル~30万ドル(約2300万~4600万円)を大きく超えると見られている。米ニュースサイト「ページ・シックス」が10日に報じた。

 12月9日にニューヨークのサザビーズで単独出品される予定で、クリスティーナ・スタンボリアンがデザインした黒いシルクのドレスは、オフショルダーのハート型ネックラインと、ボディーラインに沿うドレープスカート、そしてミニトレーンが特徴となっている。

 ダイアナ妃は94年6月、別居中の夫である当時のチャールズ皇太子が、カミラ・パーカー・ボウルズ(現カミラ王妃)との不倫を認めたドキュメンタリー番組が放送されたわずか数時間後、真珠のネックレス、赤いマニキュア、黒いタイツ、そして自信に満ちた態度でパーティーに出席し、周囲が思わず息をのむような装いを際立たせた。それが「復讐のドレス」と呼ばれる由縁である。

「それは私たちが一緒に参加した最初のサーペンタイン・ディナーの一つでした。チャールズが彼らの結婚生活の問題について公に語るとは、私たちの誰もが想像していませんでした」と、米誌ヴァニティ・フェア元編集長グレイドン・カーター氏は、その重大な出来事について同サイトに語った。

「それで、ダイアナ妃が到着した時、私たちは彼女が信じられないほど美しいと思ったんです。それが『復讐のドレス』という意味であることを知ったのは翌日、新聞を読んだ時でした」。

 ダイアナ妃とチャールズ皇太子は92年12月から別居していたが、実はダイアナ妃は2人の関係が破綻する前にこの特注ドレスを注文し、3年間クローゼットに保管していた。しかし、夫が不倫を認めた直後に意を決して、サーペンタイン・ギャラリーに着ていくことを決めたのだ。

 数年後、デザイナーは「とても特別なもの」を作るよう依頼されたことを回想した。そして、その瞬間はダイアナ妃のファッションセンスの進化だけでなく、大衆文化においても決定的な瞬間となった。

 ダイアナ妃はめったに黒い服を着なかった。というのも、王族は黒を喪服としてのみ用いることが多く、また、膝上丈のカクテルドレスを着ている姿もこれまでほとんど見られなかったからだ。

 このドレスは97年7月のオークションで5万3000ドル(約817万円)で落札された。今回は予想される6ケタドル(億単位)の見積もりをはるかに超える価格で落札されると見られている。