福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が24日、議員辞職を表明し、衝撃が走った。〝福岡県議会のドン〟と呼ばれる蔵内氏だが、高額の海外視察問題に金銭授受疑惑を抱えて苦境に立たされていた。

 蔵内氏はこの日、「8月25日(火)に東京で開催される女性議員研究交流大会での全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うしたうえで、福岡県議会議員の職を辞することとしましたので、お知らせします」とのコメントを発表した。

 先週17日には臨時議会で議長職に対する辞職勧告決議案が提出された。しかし、採決直前の動議によって採決中止になっていた。この際、蔵内氏は「しかるべき時期」に議長を辞めると表明していたが、採決を期待していた県民の怒りを買っていた。

 蔵内氏はこれまで高額な海外視察が問題視され、正副議長ポストをめぐる〝カツアゲ〟疑惑などの渦中にいた。蔵内氏は金銭授受を否定しており、これから第三者委員会で調査が始まることになっていた。突然の辞職表明に、服部誠太郎知事は「重く大きな決断だが、これで幕引きではない」と問題はクリアになっていないと強調した。

 辞職の理由については、自民党党本部や国会議員からの〝圧力〟などが指摘されているが、蔵内氏は周辺に「若い議員に迷惑をかける」と後輩たちを気にかけていたという。

 議員辞職とはいえ、このままドンの存在感が簡単になくなるとは限らない。メディア関係者は「数年前に蔵内氏について調べていて、福岡政界の事情に詳しい関係者に話を聞くなどしていたのですが、後日、まったく別の関係者から『蔵内氏について調べているそうですね』と指摘され驚きました。釘を刺されたというわけではないですが、それだけ蔵内氏の話題には敏感な人が多いのだと思いましたね」と振り返った。存在感の大きさゆえのことだろう。

 辞職のタイミング次第では来春の県議選を待たずに、筑後市選挙区(定数1)で補欠選挙が行われる可能性がある。蔵内氏の後継者や、福岡県議会の改革を訴える日本維新の会、参政党といった国政政党も関心を寄せることは間違いない。

 蔵内氏には息子がいる。2016年に鳩山邦夫元総務相が死去した際に衆院福岡6区の補選が行われ、蔵内氏の息子・謙氏が出馬していた。選対本部長に麻生太郎財務相(当時)が就任したものの、邦夫氏の息子である二郎氏に破れていた。

 福岡では4期目の高島宗一郎市長も11月の市長選に不出馬を表明し大騒ぎとなっている。しばらく福岡から衝撃が続きそうだ。