厚生労働省は24日、女優の川口春奈主演の映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」(10月2日公開)とタイアップしたポスター企画の中止を発表した。

 同作は、21歳でステージ4の大腸がんを宣告され、24歳の若さで旅立った遠藤和(えんどう・のどか)さんが、娘と夫に遺したノンフィクション書籍を映画化したもの。

 厚労省はがんと診断された15~39歳に向け支援制度などを記したパンフレットを作成。それを周知させる目的で同映画とポスターのタイアップを企画し、そのポスターを病院等に掲出するとした。

 ところが、病院にはがんで闘病中の患者がいるだけに「ママがもうこの世界にいなくても」という映画タイトルと合わせたポスターは不適切との批判がネット上で殺到していたのだ。

とんだとばっちりの川口春奈
とんだとばっちりの川口春奈

 厚労省はこの日、公式サイトで「この度、厚生労働省がAYA世代のがん患者やご家族の皆様にご利用いただける制度への理解促進を目的として実施しておりました、映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』とのタイアップにつきまして、中止することといたしました」と発表。

 その上で「本タイアップによる情報発信によって、がんと向き合っておられる患者さんやご家族等の皆様に対し、不快な思いをおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 また「今回のタイアップは、AYA世代(Adolescent and Young Adult:15~39歳)でがんと診断されたご本人やご家族に向けて、ご利用いただける支援制度やサービスについてまとめたパンフレット『15歳~30歳代でがんと診断されたあなたへ がんの治療と暮らしを支える制度ガイド』の周知を目的として実施させていただいたものでした」と説明。

 続けて「しかしながら、今回作成したタイアップポスターを都道府県がん診療連携拠点病院等という患者の方々が日常的に利用される場所に掲示することや、今回のタイアップにより制度周知を行うことなどについて、患者の皆様やそのご家族等への配慮に欠ける点があったと認識しております」とつづった。

 そして「今回、全国の都道府県や都道府県がん診療拠点病院等に送付済みのポスターは回収し、掲示を中止するとともに、特設ページやSNS投稿等は削除いたします」と報告し「今後は、さまざまな立場の方々に十分配慮した情報発信を徹底し、このような事態が発生しないよう努めてまいります」としている。