女優でタレントの原千晶(52)が24日、自身のX(旧ツイッター)を更新。女優・川口春奈が主演を務める映画「ママがもうこの世界にいなくても」と厚生労働省のタイアップ企画を巡り、がんサバイバーとしての視点から疑問を投げかけた。

 「ママがもうこの世界にいなくても」(10月2日公開)は、21歳でステージ4の大腸がんを宣告された、AYA世代(15歳から39歳まで)の患者で24歳で他界した主人公の亡くなる10日前までつづり続けた日記を映画化。

 厚労省は今月19日、同映画とのタイアップを発表。普及啓発のパンフレットやポスター、特設ページを開設。15歳から39歳までの世代を指す「AYA世代」のがん患者やその家族が利用できる支援制度やサービスの周知を呼びかけていた。

 この日、この発表に対し、過去に30代でがんを経験した原は「今朝流れて来てどうしても心がざわついたので言わせてください」と切り出し、厚労省のX投稿を引用して言及。「がん啓発はとても大事です 同時にとても難しいです」と前置きした上で、自身の闘病生活を振り返った。

 原は「治療中に辛かったのは 社会から取り残されるのではないか? この先恋愛や結婚が出来るのか? 周りで溌剌と活躍する同世代をとてつもなく羨ましく思い それでもその先の未来を見つめ 僅かな希望を持つ事で歯を食いしばり辛い治療を乗り越えるんです」と患者の心境を吐露。

 制度の周知や啓発という行政側のタイアップ意図に理解を示しつつも、「でも、死を連想するタイトルの映画とのコラボはあまりにも配慮に欠けていませんか?」と疑問を呈した。

 さらに、原は「今現在、がん治療と向き合っている患者さんやご家族にとっては 日々の現実との闘いがあるんです」と強調。「自分の闘病を語るとか 誰かの物語に感情を向けられるようになるまでには長い道のりがあるのです。その道中で死と向き合うテーマは辛すぎるんです。何のために辛い治療を頑張るのか? 答えはただ一つ生きるためです」と、治療中の患者が受ける精神的影響への配慮を求めた。

 なお、投稿の最後には「川口春奈さん主演の素敵な映画 私も観てみたいです」と作品への敬意を示しつつ、「まだがんを知らない人たちにこの作品が届き、AYA世代でがんになることについて考えてもらう機会になることを心から願っています」と締めくくった。

 なお、厚労省はこの日、同映画とのタイアップ中止を発表。「本タイアップによる情報発信によって、がんと向き合っておられる患者さんやご家族等の皆様に対し、不快な思いをおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます」などと謝罪した。