最大震度7を観測した令和8年熊本地震で30日、熊本県は死者が34人となったと明かした。そのうち日本製紙八代工場では8人、イオンモール熊本では7人が亡くなったことが判明。イオンによると全員が専門店(テナント)の従業員で、ほかの従業員については安否確認ができているという。衝撃的な爆発の裏側ではデマが流れていた。
地震発生後、Xに「リンガーハットイオンモール熊本店で働いている方で、夕勤で入っている〇〇と連絡が取れる方がいましたらDMお願いします。私の母です」と呼び掛ける投稿があり、心配する人たちが拡散した。その後、投稿者は「警察の方から、連絡がありました。私の母は、亡くなっていたそうです」と報告。店舗ではなく倒壊した自宅で亡くなっていたと明かしていた。
同情してPayPayで投稿者に送金した人もいたというが、同じ店舗のリンガーハット店員がXで「〇〇という従業員はいません!」「店舗の人全員生存確認取れてる」と指摘。投稿者はアカウントを削除してしまった。
このお騒がせ投稿の真意は不明だが、2016年の平成28年熊本地震では、発生直後から便乗詐欺が相次いだ。ニセの義援金口座へ振り込ませる詐欺や、被災した親族を装うオレオレ詐欺、市役所や社会福祉協議会を名乗って募金を集める詐欺が発生。さらに、SNSで「募金はこちら」と誘導し、アダルトサイトやフィッシングサイトへアクセスさせる手口も確認された。
ネット上だけではない。被災地では「屋根が危険」「耐震診断が必要」と不安をあおり、不要な修理契約を結ばせる悪質リフォーム詐欺や、「義援金付き」と称してカニなどの商品を売りつける電話勧誘詐欺も横行した。
24年の能登半島地震、さらにさかのぼれば11年の東日本大震災でも、震災に便乗した義援金詐欺や悪質商法が相次いでおり、災害のたびに同じような犯罪が繰り返されてきた。こうした前例を踏まえ、警察庁は地震発生翌日の29日、Xなどを通じて「震災に便乗した悪質事犯に注意」と呼び掛けた。
犯罪事情に詳しい関係者は「現時点では大規模な被害や逮捕事例は確認されていませんが、警察庁が異例の早さで注意喚起に乗り出したのは、過去の震災で発生直後から便乗犯罪が相次いだ教訓があるためです」と指摘した。
続けて「震災便乗犯罪は時間とともに姿を変えます。発生直後は混乱に乗じた空き巣や義援金詐欺が目立ちますが、数日後には『屋根が危険』などと不安をあおる修理詐欺や悪質訪問販売が増える。さらに復旧段階では保険金詐欺や住宅修理詐欺、復興が進めば補助金詐欺や復興事業への投資詐欺へと変化していく。震災が終わっても、便乗犯罪との戦いは長く続くのです」と警鐘を鳴らしている。












