第108回全国高校野球選手権広島大会決勝が28日、マツダスタジアムで行われ、福山が広島商を4―3で破り、1975年の創部以来初優勝を飾った。春夏通じて初の甲子園出場を決めたチームを率いたのは、今春就任した小田浩監督(62)。就任から約100日で福山の歴史を塗り替えた。
2点を追う5回に渡辺主将(3年)の適時内野安打で反撃すると、6回には松井(3年)の中前2点適時打で逆転。7回にも1点を加え、6回から救援した岩本(2年)が広島商の反撃をしのぎ切った。
小田監督が就任したのは4月。夏の開幕まで約100日という限られた時間だったが「100日しかないではなく、まだ100日ある。やれることはたくさんある」と選手たちに語りかけ続けた。限られた時間を嘆くのではなく、できることに目を向ける。その前向きな発想がチームづくりの原点だった。
目指したのは、目先の勝利だけではない。小田監督は「県内の上位校と互角に戦えるスケール感を持ったチームにしたかった」と振り返る。そのため、一方的に答えを教えるのではなく「説明して理解してもらい、自分たちで答えを導き出せるようになってほしかった」と、選手が自ら考え、判断する力を養う指導を徹底した。
練習試合では思うような結果が出ない時期もあったが、指揮官は方針を曲げなかった。「5月以降は週を追うごとに成長を感じました」と手応えを口にし、大会前には「世間を驚かせよう。優勝したら世間は驚くけど、俺は驚かないくらいになろう」と選手を鼓舞。その言葉通り、福山はノーシードから快進撃を続け、創部51年目で悲願の初優勝をつかみ取った。
歓喜の瞬間、小田監督は「一番驚いているのは私」と穏やかな笑顔を見せた。就任から約100日。「まだ100日ある」という指揮官の揺るがぬ信念が、福山を初めて夏の甲子園へ導いた。












