もはや二刀流男の偉業は、驚きではなく日常になってしまったのか。ドジャースの大谷翔平投手(32)は7日(日本時間8日)、本拠地ドジャースタジアムでのロッキーズ戦に出場し、初回に今季20号ソロを放ってMLB通算300本塁打に到達した。ただ、ドジャースは4―3で敗戦。大谷は試合後、節目へのコメントを残すことなく球場を後にした。その振る舞いこそ、今の大谷の立ち位置を物語っているのかもしれない。
米メディア「ヤードバーカー」は「大谷は300号を打つのに時間を無駄にしなかった」と報道。日本選手初の300本塁打で、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の175本を大きく引き離したことにも触れたが、記事の視線はすでに次の領域へ向いていた。大谷は通算200盗塁まであと29盗塁。到達すれば300本塁打―200盗塁の希少なクラブに近づくことになる。
もっとも、そのカテゴリーさえ大谷にとっては「通過点」に過ぎないのだろう。同メディアは、打者として試合前まで386打席で打率2割9分4厘、出塁率4割9厘、長打率5割3分5厘、19本塁打、15二塁打をマークしていたことに加え、投手としても85回2/3を投げ、防御率1・79、WHIP0・946、95奪三振、26四球を記録していると紹介。打って、走って、投げる現実離れした数字が、4年連続MVPへの道を現実のものとしている。だからこそ、300号でさえ本人にも周囲にも大騒ぎする材料ではなくなっている。2024年には40本塁打―40盗塁クラブの6人目となり、さらに誰も踏み込んだことのなかった50本塁打―50盗塁の領域まで切り開いた。
米スポーツ専門局「ESPN」の深夜番組「SportsCenter」でもアンカーは「今や大谷が何をやっても世の中がほとんど驚かなくなっている」と指摘。300号もサプライズではなく「ノーマルな出来事になった」と、偉大さへの敬意と、ある種の〝慣れ〟をにじませた。
偉業のたびに感嘆符がつく時代は、もう終わったのか。大谷にとってMLB通算300号は、クーパーズタウン殿堂入りへの一本道に置かれた単なる標識の一つにすぎない。驚かれないことこそ、日本人メジャーリーガーのユニコーンが、どれだけ「異常な存在」になったかの証明でもある。












