北中米W杯1次リーグで敗退したチュニジア代表8人がドーピング陽性反応を示していたことが判明した。

 チュニジアはF組初戦でスウェーデンに1―5で惨敗し、わずか1試合でサブリ・ラムシ監督を解任した。後任のエルベ・ルナール監督が指揮を執った日本戦も0―4で大敗し、敗退が決定。オランダ戦にも1―3で敗れ、3戦全敗で大会を終えた。

 そうしたなかで、英紙「デーリー・メール」は「チュニジア代表選手の少なくとも8人の検体から、肺の気道を弛緩させる作用があり、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止薬物リストに掲載されているクレンブテロールについて、異常な検査結果を示したという」「しかし、その後に当局は薬物はパフォーマンス向上目的ではなく、メキシコの拠点で選手たちが食べた肉による汚染が原因である可能性が高いことを突き止めた」と報じた。

 同記事では「クレンブテロールは、ボディビルダーが体脂肪を減らしつつ筋肉量を維持するために使用してきた。メキシコを含む一部の国では、家畜、特に牛の成長促進剤として使用されている。実際、メキシコでは汚染された肉を知らずに食べた選手がドーピング検査で陽性反応を示した事例が過去にもあった」として、これまでの具体例を次のように挙げている。

「2011年のゴールドカップではメキシコ代表選手5人が陽性反応を示し、即座に大会から除外された。調査の結果、メキシコサッカー連盟とWADAは(肉の)汚染が原因であると認め、各選手は無罪となった。11年にメキシコで開催されたU―17W杯では109人もの選手がクレンブテロールの陽性反応を示した。FIFA(国際サッカー連盟)とWADAは証拠の多くが(肉の)汚染によるものであることを示唆していたため、いずれのケースも処分を見送ることを決定した」

 さらに「2022年、WADAは尿中のクレンブテロールが5ng/mL未満で検出された場合、直ちに深刻な有害分析所見とみなすのではなく、非定型所見(ATF)として報告されるという技術文書を発表した。汚染された食肉が原因であるかどうかを判断するために調査が行われる。もしそうであれば、それ以上の措置は取られない」と付け加えた。

 ボクシング界では、2017年8月のWBC世界バンタムタイトルマッチで、挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)が王者・山中慎介をTKOで破り世界王座を奪取。その後、ネリにドーピング陽性が発覚して大騒動に発展した。当時のネリは、食事(牛肉)が原因であると主張。WBCも王座を剥奪せず、山中との再戦を指示した。