米国土安全保障省のマークウェイン・マリン長官によると、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)とつながりを持つ男が、サッカー北中米W杯に出場するイラン代表サッカーチームとともに米国へ入国しようとして阻止されたという。米紙ニューヨーク・ポストなど複数のメディアがこのほど報道。いったい、何があったのか。

 マリン氏は、身元不明の男がイランサッカー連盟の会長を装い、1次リーグG組のベルギー戦(米国時間21日)へ向かうため、メキシコのティフアナから米国へ渡航しようとしていたところを当局に止められたと明らかにした。

 マリン氏は「彼について調査を始めたところ、その人物は2022年になって初めてその地位に就いていたことが分かった。そして、われわれは飛行機への搭乗を認めなかった。IRGCと直接的なつながりがあった」と説明した。

 IRGCは、兵力約15万人。1979年のイラン革命後に設立され、最高指導者直属の純軍事組織で、体制維持が目的だ。反体制デモの鎮圧などを行っている。また、ヒズボラなどの代理勢力と連携している。米国や欧州連合(EU)など十数か国・地域がIRGCをテロ組織に指定している。

 一方、イランサッカー連盟は「イランサッカー連盟の公式代表者が、米国に入国するための飛行機に搭乗しようとして阻止されたという主張は、明白かつ否定しようのないウソである」と声明を出している。

 今回の出来事は、W杯期間中に米国内での移動や活動の自由拡大を求めるイランサッカー関係者と、安全保障上の懸念から慎重姿勢を取る米国土安全保障省との間で続く綱引きの事例となった。

 マリン氏は「FIFAのジャンニ・インファンティノ会長とは、イランに課されている渡航制限について何度も話し合った」と明かしたが、それ以上の詳細には触れなかった。

 一方、イラン代表のアミル・ガレノイ監督は、大会期間中にチームが「不公平な扱い」を受けており、そのため試合のための米国への出入国が困難になっていると主張している。

 イラン情勢の余波がサッカーW杯にも及んでいるようだ。