DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンと遺伝的な要因が関係して発症する、AGA(男性型脱毛症)。自費診療にはなるものの、効果的な治療法が存在しているという。毛髪移植と脱毛症診療を専門にする許涼會先生に話を聞いた。

――AGAは進行性の病気だそうですが、自然に治ることはありますか

 許先生(以下、許)脱毛症の中には時間がたてば改善する脱毛症もありますが、AGAは進行性の脱毛症で、自然に元の状態へ戻ることは基本的に期待しにくい病気です。進行の速さには個人差がありますが、一度始まると、自然に止まることはないです。

 ――代表的な治療法は

 許 治療法はさまざまありますが、アメリカのFDAで髪の毛への有効性が認められている代表的な治療法としては、フィナステリド、ミノキシジル、低出力レーザー治療があります。

 ――それぞれ似たような効果が期待できるんですか

 許 少しだけ違います。フィナステリドはAGAの原因であるホルモンのDHTの産生を抑え、これ以上悪くならないように今ある髪の毛を「守る」治療。ある程度少し自然な改善が見られる方もいますが、主な役割は維持です。ミノキシジルやレーザー治療は毛根の細胞にアプローチして、髪を太くする、成長期を延ばすなど、発毛促進を目的とします。

 ――進行を遅らせるために自分でできることがあれば知りたいです

 許 環境要因はゼロではないため、睡眠不足やストレスを減らし、血流を改善させるなどの習慣は体にいい影響を与えます。しかし、医学的に明確に「これをやればAGAを防げる」と証明されているのは、先ほどの3つの方法ですね。

 ――医療機関を受診するタイミングは早ければ早い方がいいですか

 許 薄毛が進んでからよりも、初期の段階で始めたほうが、飲み薬中心で管理しやすくなります。かなり進んでからだと、植毛手術などの治療が必要になることもあります。自覚症状があれば、早めに受診したほうがいいでしょう。

 ――どのような医療機関を受診するのがおすすめですか

 許 脱毛症を専門的に診ているクリニックを受診しましょう。頭皮の状態がどうなっているのかや、毛髪の状態、どれくらい抜けているのかなどを確認し、他の病気が隠れていないかなどもチェックしたうえで診断してもらうことが大事です。AGAだと思って長く治療していたにもかかわらず改善せず、実際には別の病気だったみたいなケースもあるからです。