レスリングの明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)最終日(24日、駒沢体育館)で、女子57キロ級の藤波朱理(レスター)がトラブルに打ち勝った。

 2024年パリ五輪は53キロ級で金メダルを獲得。現在は57キロ級に転向したが、今大会の3週間前に左ヒザのじん帯を損傷した。「本当に歩けない状態になってしまって『何でまたここで自分がなんだ』と思った部分もあったけど、その時に初めて自分を応援してくれている人の顔が浮かんだ」と回想。以前の自分だったら「もういいやと思うところもあった」と明かすが、周囲の方々のために懸命に治療を行った。

 この日の決勝は左ヒザの負傷を感じさせない貫禄の戦いぶりで永本聖奈(アイシン)に8―0と快勝。連勝記録を153に伸ばし、今秋のアジア大会(愛知)と世界選手権(カザフスタン)の代表権を勝ち取った。「本当にこのケガを通じて、改めて1人ではレスリングはできない、いろんな人のおかげでできていると学べた」としみじみ語った。

 現在は1人暮らしでオクラや納豆が入った「ネバネバ丼」にハマったという。新たな環境で進化を続ける女王は、28年ロサンゼルス五輪を見据える上で「万全な状態で出られない大会もある。あえて万全な状態じゃない中で、自分がどれだけできるのか。今までの自分のためだったり、これからの自分のために挑戦すると決めて優勝できたのは、自分の中ですごく大きな自信になった」と充実の表情。さらなる飛躍へ、ひと皮むけたようだ。