玄米が体にいいのはよく知られている。特に玄米の中の米ぬかや胚芽に健康効果があるのだが、そのどんな成分に、どのような効用があるのだろうか? 玄米胚芽成分を抽出したサプリを作っているバイオベンチャーに米ぬか、胚芽の健康効果について聞いた。

米ぬかと胚芽の部分には玄米の栄養成分の80%が含まれている
米ぬかと胚芽の部分には玄米の栄養成分の80%が含まれている

【沖縄が長寿だったのは玄米パワーだった】

 玄米とは、一般的に食べられる白米を精米する前の状態である。よく「玄米から白米に精米すると、その過程で栄養分が失われてしまう」といわれるのは、玄米の栄養成分の80%が米ぬかと胚芽の部分に集中しているからだ。米ぬかは果皮や種皮、でんぷんなどの層であり、胚芽とは将来は芽や根、茎へと成長する部分である。

 その米ぬかと胚芽を含んでいる玄米は栄養豊富で、メタボ改善効果があるとされる。主食の白米を玄米に替えると食後血糖値の上昇が抑えられ、体重が減少することが判明している。

 玄米が健康にいいのは食物繊維やミネラルなどを含むからだが、見逃せないのは米ぬかと胚芽だけに含まれているガンマオリザノールだ。

 食物繊維は低カロリーで、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など生活習慣病の予防効果がある。ミネラルは代謝を促して体の機能などを正常に保つ。そしてガンマオリザノールはコレステロールを低下させ、内分泌系や自律神経系の働きを助ける効果があることが分かっている。

 かつて沖縄は長寿で知られていた。その後、沖縄にはファストフードが日本で最も早く上陸し、「食」が欧米化されて現在では長寿県とは言えなくなってしまったが、長寿だった頃の沖縄は玄米や煮いもが主食だった。また玄米から作った飲み物で栄養補給をするなど日常的に玄米を摂取していたのが長寿の原因の一つだったとされる。

【中高年が生活習慣病に備えるのに最適】

「毎日の玄米習慣は確実に未来の体をつくってくれます。特に中高年の方々が健康のために対策を考えるなら最適の習慣の一つが玄米ではないでしょうか」と推奨するのはSENTAN Pharma(福岡市博多区)の永井朋子社長だ。同社は玄米胚芽抽出エキス成分のサプリなどを開発するバイオベンチャーである。

 また同社では、琉球大学との共同研究によりガンマオリザノールには超肥満マウスの腸内フローラを整え、軽度認知機能障害の予防と改善効果があることも解明している。永井社長は「米ぬか・胚芽は、派手な効果ではありませんが、続けることで差が出てくる健康素材です」と説明する。

 ところが、このガンマオリザノールには「摂取するのが、なかなか難しい」という大きな難点があった。そもそも玄米自体が白米に比べて食べる際に硬さがあって、しっかりかまなければ消化不良を起こす。このため、「健康にいいとしても硬くて食べにくい」と敬遠されがちだ。またガンマオリザノールという成分は米ぬかと胚芽にしか含まれていない。他の穀物や野菜などには含まれていないのだ。

 そこで次回はガンマオリザノールをどう摂取するといいのかについて聞く。