練馬ショック拡散か。6月に行われる東京・杉並区長選をめぐり、日本共産党東京都委員会は現職の岸本聡子区長を「自主的に支援」すると決定。練馬区長選で当選した候補に対しても共産党は「自主的に支援」だった。結果次第では政党色を抑える選挙が全国に広がっていくかもしれない。

 練馬ショックが起きたのは今月12日に投開票された練馬区長選だ。都民ファーストの会の都議だった尾島紘平氏を自民党や国民民主党が推薦。小池百合子都知事の元秘書というウリもあったが、完全無所属の吉田健一氏に敗れた。この結果に衝撃が走ったのだ。

 練馬区関係者は「尾島氏の第一声には自民党や都民ファ、国民民主、東京維新の会などから多くの政治家が集まり、選挙カーを囲んでいました。一方、吉田氏は少人数のスタッフと駅をめぐり、地べたでマイクを握っていました。政党が前に出過ぎたことが尾島氏の敗因の一つかもしれません」と話した。

共産党の「自主的な支援」で勝利した吉田氏
共産党の「自主的な支援」で勝利した吉田氏

 もっとも、吉田氏は完全無所属とはいうものの、共産党や社民党が「自主的に支援」をしていた。「国政政党の推薦が集まる尾島氏に対して、自主的支援にとどめた吉田氏が挑戦するという構図になった。吉田氏の作戦がハマった形でしょう」(同)

 吉田氏は4年前の区長選では共産党などから推薦を受けていた。

 選挙はほかにも続く。東京都では6月に中野区長選(5月31日告示、6月7日投開票)と杉並区長選(6月21日告示、同28日投開票)が予定されている。杉並区長選には現職の岸本氏と自民党区議の大和田伸氏らが出馬表明をしている。

 自民党が大和田氏を推薦した一方で共産党は岸本氏を「自主的に支援」すると発表。岸本氏も4年前の区長選では共産党など政党の推薦を受けている。練馬ショックが参考になっている可能性が高い。

 永田町関係者は「地方の選挙に国政政党が出てくることへの反感があるのかもしれません。政党に守られる候補に対して組織を持たずに戦う候補に期待が集まりやすい流れができつつある。今後、首長選挙では政党の〝自主的支援〟が広がっていくかもしれません」と指摘した。杉並区長選の結果次第では全国的に選挙のやり方が変わっていきそうだ。