JX通信社代表取締役の米重克洋氏が3日、都内の日本記者クラブで「高市現象と日本の政治」をテーマに会見を行った。

 先の衆院選では自民が316議席を獲得する歴史的勝利を収め、中道改革連合は49議席と惨敗に終わった。比例代表に着目すると、自民の得票率は36・71%で2005年の小泉政権下の38・18%に次ぐ水準だった。米重氏は「高市人気だけで自民党の地滑り的な大勝を説明するのは難しいのではないか」と問題提起。

 自民が過半数割れとなった2024年の総選挙から「自民党が無党派層を最も多く獲得。選挙区で公明票の大半が自民に→野党側にシフト。国民・参政から自民に支持層が戻る。立憲支持層の4~5割が中道に投票せず」と票の流出入の変化を説明した。

 自民の勝因として「弱点の克服」と「強力なネット地盤」を挙げる。自民の弱点はかつて安倍政権を支持していた若い世代が野党に大量流出していたこと。米重氏は「これが高市政権の発足によって巻き戻された。回帰をしていっている」という。

 回帰につながったのが、強力なネット地盤だという。投票率が高い世代とネットの利用時間が長い世代が重なる幅が急速に拡大するメディアシフトが24年頃に起き、その象徴が、元安芸高田市長の石丸伸二氏が躍進した都知事選の石丸現象だという。

 ネット地盤とは「SNS上の発信力や注目度、インフルエンサーの支援を基盤として選挙活動。ネット・SNSを通じた情報接触に基づく投票行動」という意味で、米重氏が作った造語。高市首相について「ネット地盤が非常に強い。ネット地盤が優位な、おそらく初めての総理大臣なのではないか」と推察する。

 一方の中道については、立憲投票層が時間の経過とともに中道から離反というデータを提示し「これが選挙結果に与える影響が大きかった」と指摘。その上で「高市人気と立憲支持層の溶解の2つの現象がネット世論によって加速した可能性がある」と述べた。