【「おでんの湯」(発売元・エムケイエンタプライズ、330円)】

 草津に別府、湯布院に登別…そんな日本を代表する温泉地に足を運ばなくても、自宅のお風呂でそれぞれの温泉を楽しめるさまざまな入浴剤が発売されている。で、これは「おでんの湯」。「おでん」というのは知る人ぞ知る東北地方の秘湯で…などということはもちろんなく、みなさんが冬になると食べたくなる、あの“おでん”である。

 じゃあ「おでんの湯」って何なんだ?というと、和風だしをきかせた、おでんのつゆをイメージした入浴剤というわけだ。もはやそれだけで意味不明な商品ではあるのだが、つい手をのばして買ってしまった身としては、この入浴剤にどんな存在意義があるのかを熟考せねばなるまい。

 湯船いっぱいにカツオだし風味のつゆ(湯)があるのだから、そこにつかる自分は、おでんの“具”ということになる。「なるほど、いつも何気なく食べているダイコンや卵やこんにゃくは、こういう気持ちでグツグツと煮込まれているのだなあ」と、具の気分を実感できるかもしれない。

 入浴時間が長ければ長いほど、だしもしみ込んでおいしくなるワタシ。でも、そんなワタシは誰に食べられるために煮込まれているのだろうか?

 そういえばつい先日、人気漫画「進撃の巨人」が連載完結したことを思い出した。ある日突然、壁が破壊され、押し寄せた巨人にパクリと食べられてしまう人類。ならばこの「おでんの湯」、いつの日か襲来する巨人さんたちに、よりおいしくワタシを召し上がっていただくための入浴剤なのかもしれない。うん、やっと答えが出た(出てねえよ)。