シーズン開幕まで残すところあと1日。ソフトバンクはWBC開催による主力の不在もあり、オープン戦を6勝9敗2分けと負け越した。それでも小久保監督は「見極めができる時間が十分あった」と語るなど、準備は整った様子だ。福岡移転後初となるリーグ3連覇へ。本紙評論家で球団OBでもある加藤伸一氏が今年の鷹の展望を占った。

【インハイアウトロー・加藤伸一】先発陣ではスチュワートが順調、新戦力の徐若熙もいい投球をしている。有原の抜けた穴に関しては、スチュワートの復帰と徐若熙の加入により準備は十分できたのではないか。バックアップも含めて頭数もそろっている。

 不安要素を挙げるのなら救援陣。離脱した藤井の穴を埋めるため、ほかの選手がどこまで頑張れるか。木村光はオープン戦で結果を残したが、マウンドさばき、マウンドでの表情を見る限りはまだ落ち着きが感じられない。投球内容は評価に値するが、これが公式戦になって果たしてどうか。まだまだ未知数なところだが、実績を作っていく過程は楽しみでもある。中継ぎに関しては質も数ももうひとつ。勝ちパターンの故障リスクを上げないためにも展開に応じて信頼できる投手が必要だ。そこがしっかりと整備できれば今年も安泰ではないか。

 野手陣は毎年のことだが、いかに世代交代を考えて戦えるかがカギを握る。具体的に言えば、オープン戦終盤まで一軍に残っていた野手をどうシーズン序盤に使っていけるか。古傷を持った選手を休ませながら、秋広や笹川をうまく使っていく。序盤はそういった戦い方をしていきたいところだ。いくら二軍で打席数をこなしたところで、投手のレベルが違う。結局は一軍で使わないと育たないのだ。シーズンが佳境に入ればなかなか若い選手は使えない。序盤に「よーいドン」で秋広らをスタメンで使っていくのもひとつの手だろう。

 オープン戦の最後のミスで二軍降格となった笹川はある種、必然とも言えるだろう。ファームの試合の解説をした時でも、守備にあまり興味がないのか、外野での動きは悪目立ちしていた。せっかく打撃で一定の結果が出ていただけにもったいない。ただ、チームにとっては開幕前に〝手痛いプレー〟が出てよかったと言える。一方で、首脳陣は笹川を戦力として評価していると思う。開幕して数カードが経過したのち、一軍に上げて起用していく算段でいるのではないか。

 WBCで結果が出なかった近藤は帰ってきてからの打撃を見る限り全く問題ない。考え方ひとつだが、逆に本人としてもピリッとして結果的にプラスに働くのではないか。例年以上に期待が持てる。

(本紙評論家)