米国とイスラエルの大規模攻撃で殺害されたイランの最高指導者ハメネイ師の後任として、新しく最高指導者に就任した同師の次男・モジタバ師がロシアに滞在しているという。クウェート紙アル・ジャリダが15日、報じた。

 モジタバ師の最高指導者選出が発表されたのは9日のこと。12日にはイランの国営テレビで就任後初めて声明を発表したが、いまだに姿を現していない。

 アル・ジャリダ紙によると、モジタバ師に近い高官筋の話として、モジタバ師は健康状態と安全上の理由から、極秘作戦でロシア軍機によりモスクワへ移送されたという。

 モジタバ師は、2月28日に行われた米国とイスラエルによるイランへの「初動空爆」で負傷。設備の整った病院での治療と綿密な医療監視、さらに特別な警備を必要とした。ロシアのプーチン大統領が12日、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領との電話会談で、モジタバ師をロシアで治療することを自ら提案。モジタバ師は到着直後、外科手術を受け、手術は成功。現在はロシアの大統領宮殿の一つにある特別病院で治療を受けているという。

 アル・ジャリダ紙は、2007年に創刊し、イラン、イスラエル、シリアの政治・安全保障の匿名情報源リークが多いとされる。

 軍事事情通は「アル・ジャリダは、イスラエルの情報機関のリーク情報を載せることで知られます。ロシア滞在報道の真偽は不明ですが、こんな報道が出るのも、ロシアが裏でイラン政権を支援していることを伝えたいのかもしれません」と指摘する。

 いずれにしても、本人の姿が確認されていないどころか、映像や音声、写真さえも公開されていないのは事実だ。

「最高指導者が重傷で意思決定できない、もしくは外国にいるとすれば、国内の実権は一時的にイスラム革命防衛隊が握ることになります」(同)

 イラン情勢の混乱は続く。