元陸上自衛官で前参院議員の佐藤正久氏が10日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演し、中東問題と日本への影響について私見を述べた。

 2月28日に始まった米国とイスラエルによるイランへの攻撃は、現在もイスラエル軍がイランの首都テヘランを中心に空爆を行うなど続いている。イランの最高指導者を選出する88人の「専門家会議」は9日、米イスラエル軍の攻撃で死亡したアリ・ハメネイ師の後継者に次男モジタバ・ハメネイ師(56)を選出したと発表した。

 自衛隊所属時に国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長として活躍し、愛称「ヒゲの隊長」で親しまれた佐藤氏は「その(米軍事作戦の長期化)可能性は高いと思っています」と切り出すと、日本人に分かりやすいよう会社組織に例えた。

 佐藤氏は「年老いた86歳の社長を実質的に支えていた息子の副社長が、社長になっただけなので路線は変わらないし、ましてやお父さんお母さん、奥さんと息子も今回殺されましたから。アメリカに恨みを持っている」と説明。「その状況で今回、権力を持ちました。大統領、政府が何を言おうが最終的に決めるのは最高指導者なので。それを直轄の革命防衛隊、これが一番力を持っています。革命防衛隊と大統領が率いる国軍は別(の組織)です。なので大統領が『湾岸諸国にごめんなさい。攻撃はしません』と言っても革命防衛隊は、それに従わず攻撃を続けるというふうに攻撃意思系統が全然違う。大統領は権限ありません」と解説した。

 ガソリン価格を左右するホルムズ海峡について「私もオマーン海軍の船で行ったことありますけど、約33キロメートル、東京駅から横浜駅まで結構広いんですよ。そのなかでタンカーが通れるのはわずか6キロなので、非常に守りにくい特性があります。しかもタンカーは300メートルを超え、何百と通る、駆逐艦のような100メートルの物で守ろうと思っても難しい。特に海の暴走族と言われるような爆弾を積んだ小型ボートが群れで来れば、小回りの利かない駆逐艦では無理、ドローンが群れで来ても難しい」と指摘した。

 長期化すれば物価が上がるというが、「(ガソリンの)備蓄はただの緊急避難措置。大事なのは物流の流れを止めないということ。終わらなければ、どこかから持って来なければならない。となると調達競争が始まる。われわれの財布とホルムズ海峡はつながってますから封鎖されればガソリンの価格も上がる。当然タマゴや牛乳の値段も上がります」と警鐘を鳴らした。

 さらに「(トランプ大統領は)中間選挙が一番の関心事項で、これで仮に下院の方で負ければ3度目の弾劾。これはトランプ大統領にとっては、恥ですから何としても中間選で勝ちたい。それを見てイランの方は石油を武器化してる」と語ると、最後に「長期化の見通しが強まれば、自分のタンカーは自分で守れ、アメリカにタダ乗りするなと。これはトランプさんの持論ですから。それを自衛隊ができるかというと、かなりハードルが高いので、次のオプションとして米軍への給油支援だが、これも今の法律では難しい。ただ今日のホルムズは明日の台湾という関係もありますので、ずっと断るのは難しい。場合によっては、高市首相が(自衛隊派遣を)決断することも絶対ないとは言えない」などと持論を述べた。