短期決戦の衆院選(8日投開票)のラストサンデーとなった1日、高市早苗首相がNHKで生放送された「日曜討論」を欠席。腕の痛みを理由にした30分前の〝ドタキャン〟だけに野党が一斉に批判の声を上げた。また、高市氏は1月31日に〝円安ホクホク〟演説をしており、こちらも批判のターゲットとなっている。

 選挙戦で最初で最後の日曜日に行われる党首討論で注目度は高かったが、高市首相は欠席。共産党の田村智子委員長は開始20分前にXで「なんと高市首相がドタキャンと、生放送開始30分前に告げられた。NHKも大騒ぎになっている」と投稿。腕の痛みが理由と判明した討論後には「早く回復されることをお祈りします」としながらも、田村氏は討論機会の再設定を要求した。

 一方の高市首相はXで、連日の握手で手を強く引っ張られて痛め、「関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました」と説明。テーピングをしたうえで、この日の演説予定地である愛知と岐阜に向かうとした。実際に高市首相は指にテーピングをして演説に臨んだが、社民党の福島みずほ党首は「党首討論は欠席するが街頭演説は可能という理由がわからない」とXで疑問を呈すなど物議をかもしている。

 街頭演説では中道改革連合の野田佳彦共同代表が高市首相の欠席問題を取り上げた。「体調の問題やご病気の問題に触れるのは慎重じゃないといけない。ただひとつ言いたい。私も総理大臣を務めていたが、総理公邸にはドクターと看護師さんがずっといるんです。夜もいる。体調が悪かったら夜中でも診てくれる。私も経験しました。テーピングで済むのなら夜の段階で十分できたはず。それだけは申し上げたい」と指摘した。

 もっとも、高市首相への批判はドタキャンよりも演説内容への方が多い。高市首相はこの日、一部で報じられた「円安で外為特会ホクホク」発言を釈明した。日経新聞によると、高市首相は前日の演説で「円安でもっと助かってるのが、外為特会っていうのがあるんですが、これの運用、今ホクホク状態です」と発言していた。外為特会とは外国為替資金特別会計の略で外貨建ての資産だ。円安でその運用益が拡大しているというわけだ。

 この発言が円安のメリットを強調したとして、日本の首相が円安を歓迎していると受け取られてしまっているのだ。ロイターでも報じられており、高市首相は海外を意識して英語でも釈明。「私としては、あくまで『為替変動にも強い経済構造を作りたい』との趣旨を申し上げたのであり、一部報道にあるように『円安メリットを強調』した訳ではありません」と主張した。

 野党はホクホク発言もターゲットにしている。「中道の野田氏も斉藤鉄夫共同代表もそれぞれ、このホクホク発言を演説で批判しています。円安でホクホクなのは大企業で、中小企業はそうではないと〝生活者目線〟をアピールしています」(永田町関係者)。

 触れづらい体調問題よりもホクホク発言の方がヤリ玉に挙げられそうだ。