フランス在住のある夫婦は、5か月前にスペイン旅行中に行方不明になった愛猫が、川と国境を越えて250キロ離れた自宅の近くで発見されたと知り、驚きと喜びに包まれた。フランス紙ランデパンダンが先日、報じた。

 2025年8月初旬、パトリック・シレさんとエヴリーヌさん夫妻は、スペイン旅行を終え、フランス・エロー県のオロンザックに帰る途中、スペインのカタルーニャ地方ジローナのサービスエリアで給油のために立ち寄った。コーヒーを買いに行く際、キャンピングカーの窓を少し開けたままにしていた。その時に愛猫のフィルーが外へ抜け出したが、夫妻は気づかなかった。

 夫妻は、フィルーがいつものように車内のどこかで眠っているのだろうと思い、そのまま運転を続けた。数時間後に休憩した際、フィルーがいなくなっていたことが分かった。

 翌日、夫妻は引き返し、最後にフィルーを見たサービスエリアへ戻って名前を呼び、白黒の猫を見なかったか人々に尋ねた。地元の動物保護団体に連絡し、スペイン国家憲兵隊にも迷い猫の届け出を出したが、数日間は何の知らせもなかった。

 同年8月19日、目撃情報があった。カタルーニャのサービスエリア付近で、白黒の猫が見られたというのだ。夫妻は再びオロンザックから現地へ向かい、愛猫との再会を願った。しかし願いはかなわなかった。時が経つにつれ、夫妻はフィルーはもう戻らないのだろうと受け入れ始めた。

 だが2026年1月9日、行方不明になってから5か月後、オロンザック郊外の村オンプスに住む女性エレーヌさんから、「あなたたちの猫を保護している」と連絡が入ったのだ。エレーヌさんによると、猫は約1か月前に突然現れ、やせ細り、寒さと疲労で衰弱していたため、地元の獣医に連れて行ったという。すると皮下に埋め込まれたマイクロチップから、オロンザック在住の夫妻の登録であることが判明した。

 登録されていた電話番号はすでに使われていなかったが、住所が残っていたため、エレーヌさんは夫妻を突き止め、吉報を届けることができた。夫妻はすぐにオンプスへ向かい、フィルーと再会した。

 フィルーがどのようにして川と国境を越え、250キロもの距離を自力で帰ってきたのかは、今も謎のままだ。

 動物の専門家は「猫は非常に発達した空間記憶を持ち、視覚的な目印だけでなく、慣れ親しんだ匂いや音を、非常に長い距離にわたって記憶できる」と説明している。