米国・AEWで活躍する〝レインメーカー〟オカダ・カズチカ(38)が本紙のインタビューに応じ、日本のプロレス界に〝金言〟を授けた。古巣の新日本プロレス4日東京ドーム大会では棚橋弘至の引退試合の相手を務め上げ、世界で活躍する実力を満天下に証明。新日本を退団した24年2月以来、約2年ぶりに日本のマットに立ったオカダの目に映ったものとは――。

 ――棚橋の引退試合を振り返って

 オカダ そうですね、棚橋さん頑張ってたな、と。本当にすごく棚橋さんらしい、ハッピーエンドな引退試合だったなと思いますね。

レインメーカーポーズを取るオカダ・カズチカ
レインメーカーポーズを取るオカダ・カズチカ

 ――東京ドーム超満員は自身の悲願でもあった

 オカダ あの中で試合をできたのは光栄なことでしたし、うれしかったです。ずっとそれを目指していたというか。それが棚橋さんの引退だったり、棚橋VSオカダというカードだったり、今の新日本の選手のおかげだったり…いろいろなことが重なって起きたことだと思いますので。すごく気持ち良かったです。

 ――中邑真輔(WWE)からも「『男だよ』と思いました。棚橋弘至のグレイテストヒッツを引き出してくれて」と絶賛された

 オカダ 中邑さんにそうやって言ってもらえるのはうれしいですね。柴田(勝頼)さんのPKだったり中邑さんのキンシャサだったり、僕よりも棚橋さんの方がいろいろなものを背負って戦っていたのかなと思いますね。

 ――内藤哲也の必殺技デスティーノを繰り出す場面も

 オカダ 本当はもっとちゃんと(正調の)デスティーノやろうと思ってたんですよ。でも練習したら全然できなくて。僕がデカいからなのか、やりづらくて…よくこんな技内藤さんやってたなってくらい難しい技ですね。まあちょっと形は不格好でしたけど、内藤さんの分もできたんじゃないかなと。

 ――約2年ぶりの古巣のリングをどう見た

 オカダ いろいろな人がいなくなったり、棚橋さんが引退したりしてますけど、やっぱりリング上の素晴らしさは前と変わらないと思います。今の若い選手たちが頑張っているからこそ、いなくなった人だったり棚橋さんがやってきた背中を見てきたからこそ、今につながってるんじゃないかなと思いますね。

 ――棚橋引退後を心配する一部の声もあるが

 オカダ 余計なお世話だと思いますよ。それだけのメンバーそろってますし、僕は改めて新日本プロレスすごいなと思いました。AEWを見たからこそ、新日本のすごいところも見えてきました。米国だけがすごいわけじゃなくて、日本のプロレスの良さってあるし、そこに気付けてない若い子たちって多いのかなと思うので。自分たちのやってるプロレスに自信を持ってくれればもっとお客さんもついてきて、またすごい盛り上がりになるんじゃないかと思います。

 ――期待する選手は

 オカダ 辻(陽太)じゃないですかね、やっぱり。(試合順が)自分たちの前だったので試合も見れたんですけど、竹下(幸之介)を倒して、IWGP(ヘビー級王者)になって、新日本だけじゃなくて一番外に向けて話題になることをやってる気がします。自覚もあるのかなと思いますし。すごいレスラーはたくさんいますけど、そういうことも大事だと思うので、それができてるのは辻なのかなと。

 ――ウルフアロンのデビュー戦も話題に

 オカダ 素晴らしかったんじゃないですか? ただデビュー戦ですからね。本当に大変なのはこれからですし、じゃあ2戦目がそれを超えるのかってなると、ファンの人も「ウルフならもっとできるんじゃないか」と見てしまう部分もあると思うので。でも柔道より才能あるんじゃないですか?

 ――その理由は

 オカダ 一発で(NEVER無差別級の)ベルトを取るところとか、五輪を経験してるから精神的にも強いと思いますし。動きももちろんすごいですし、もちろん柔道の金メダルが簡単だなんてまったく思ってないですけど、(ウルフは)プロレスの方が才能あるんじゃないかって思ってますよ。

 ――いきなりトップ戦線での活躍も期待できる

 オカダ 今の新日本の中では知名度じゃ誰も勝てないでしょう。そういう意味では新日本を代表していってほしいし、辻は辻で王者として負けないように切磋琢磨していったら面白くなるんじゃないかなと。

 ――プロレス界全体に目を移すと、昨年はスターダムの上谷沙弥が女子選手として史上初のプロレス大賞MVPに

 オカダ 素晴らしいことじゃないですかね、それだけの影響力があれば。(アントニオ)猪木さん、(ジャイアント)馬場さん、長州(力)さん、藤波(辰爾)さんとかいろいろな方から続く流れがあるなかで、女子の時代が来るかもしれないと思うので、そこは頑張ってもらいたいですね。『昔は男子がすごかったんだよ』って言われるくらい女子を盛り上げてくれたら、プロレス全体が盛り上がるんじゃないかなと思います。

 ――自身の目標は

 オカダ (昨年12月にコンチネンタル王座を失って)まだインターナショナルのベルトがありますけど、やっぱりAEWのメインの(AEW世界)ヘビー級のベルトも狙いにいかないと。ずっと違うタイトル戦線で戦ってましたので、そっちに行ってベルトを巻きたいですし、そういうものを持ってまた日本に戻って来られたらなと思います。

 ――AEWに移籍して今年で3年目になる

 オカダ 1年目はよく分からず、行ったところで試合して帰るみたいな。2年目でやっと慣れてきたというか、いろいろな人と話をするようになりましたし。3年目はしっかり勝負に出て、自分で切り開いていけたらと思いますね。あと今回、改めてAEWに行って良かったなと思いますね。棚橋さんと戦えたから。また違う選択をしていたら今回のこの感じはなかったのかなと思いますし、行かせてくれたトニー(カーン社長)にも感謝ですね。

 ――ファンはまた日本で雄姿が見られる日を待っている

 オカダ いつかAEWで(日本)大会をやりたいですね。すごい選手がいますし、日本になじみの深い選手もいるので。プロレスがすごいだけじゃなく、入場だったりとかを改めて見てもらいたいと思うので、そういう形で帰って来られたらと思います。

☆おかだ・かずちか 1987年11月8日生まれ、愛知・安城市出身。15歳で「闘龍門」に入門し、04年にメキシコでデビュー。07年に新日本プロレスに入団。12年に海外武者修行から凱旋帰国するとプロレス界のトップに君臨。5度(12、13、15、19、22年)のプロレス大賞MVP獲得は、アントニオ猪木に次ぐ歴代2位。24年に新日本を退団し、AEWに移籍。得意技はレインメーカー。妻は声優・女優の三森すずこ。191センチ、107キロ。