県職員にセクハラメッセージを送り、昨年12月に辞職した福井県の杉本達治前知事(63)の問題をめぐり、特別調査委員が7日、調査報告書を公表した。セクハラメッセージは約1000通に上り、体を触るセクハラ被害も3件確認。すでに昨年12月には退職金約6000万円が支払われており、県民からは怒りの声が上がっている。
杉本氏のセクハラが明るみに出たのは、昨年4月に県の公益通報の外部窓口に県職員から「(杉本氏から)愛人になることを求めるような内容、あるいは食事に誘うような内容のLINEが複数回届いた」という通報だった。
県の依頼を受けた弁護士3人が特別調査委員となり、同年9月に全職員約6000人に情報提供を依頼。14人に接触し、通報者を含む4人の女性職員から資料提出などの協力を得たという。
この日、特別調査委員の報告書が公表された。それによると杉本氏は少なくとも4人の女性職員にLINEで、執拗に性的関係を迫るなどのメッセージを約1000通送ったと認定。報告書ではセクハラメール文面も公表された。そこには「無性に〇〇ちゃんを抱きしめたいよ」「〇〇ちゃんはエッチなことは好き?」「いくら口説いても会ってくれないけど、ずっーと、ずっーと、追っかけするからね」といったおぞましい内容がつづられてあった。
また、体を触るセクハラ被害も3件確認されている。被害者は「懇親会の席で、私と杉本氏がテーブルの相向いに座っていたところ、杉本氏が私の両足の間に足を入れ絡めてきて、私は驚いて足をすぐに引っ込めたが、非常に気持ち悪い嫌な思いをした」と証言。報告書では、ストーカー規制法や刑法の不同意わいせつ罪に抵触する可能性も指摘している。
杉本氏は聞き取り調査に「好意はあった」「酔っていて気が緩んだ」とメッセージの送信は認めたものの、「触ったり意図的に足を絡めたりしたことはない」「全く記憶にない」と身体的接触は否定している。
杉本氏は自治省(現総務省)出身で13年に副知事に就任。19年に知事に初当選したが、セクハラ問題を受け2期目の半ばとなる昨年12月に辞職した。自治省から出向していた県総務部長時代から約20年セクハラ行為が行われていたというから驚きだ。
被害者は「杉本氏からの謝罪は一切受けたくない、示談もしない、接触を断ちたい」「恐ろしいので福井から出ていってほしい」と訴えるなど心の傷は大きい。
県民からも怒りの声が上がっている。
県の担当者によると「退職金の返還を求めるべきだ」「しっかりと処分をした方がいい」といった批判の声が寄せられているという。すでに昨年12月に約6000万円の退職金を支払い済み。では、実際に返還することは可能なのか。
「給与法で拘禁刑に処せられた場合に限り、命令が出せるという規定になっています」(県担当者)
被害者と県民は行き場のない怒りを抱えている。











