拍子抜けのストーブリーグ――。今冬の市場動静でほぼ無風状態が続くヤンキースは、地元ファンや関係者の間で失望感も広がりつつある。ところが、そんなNYYの思わぬ数字が波紋を広げている。米メディア「エッセンシャリースポーツ」が報じたところによれば、米大手オンラインブックメーカー「BetOnline」のシーズン勝利数予測で、ヤンキースは2026年のア・リーグ東地区優勝確率93%という、意外な本命評価を受けたというのだ。

 この数字は、米全国紙「USA TODAY」の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏が自身のXで紹介したことで一気に拡散。それを目にしたブロンクスのファンの困惑も当然だった。なにしろ今冬、ヤンキースと同地区のブルージェイズがMLB通算7年65勝の大型右腕ディラン・シース投手(30=前パドレス)や今季韓国KBOでMVPに輝いたコディ・ポンセ投手(31=前ハンファ)、巨人主砲の岡本和真内野手(29)ら大物を次々と獲得し、補強面では主役を張っているからだ。

 実際、SNS上では「現状でヤンキースは地区3~4位の戦力」「なぜトロントが本命じゃないのか」などと疑問の声が噴出。ブルージェイズのみならず同地区のオリオールズも通算264本塁打のスーパースターであるピート・アロンソ内野手(31=前メッツ)を加えるなど他球団が動いた一方、ヤンキースは目立つ補強がなく高評価とのギャップが際立つ。

 それでもオッズが示すのは〝未完〟の前提条件だ。ヤンキースは自軍からFAとなっているコディ・ベリンジャー外野手(30)との残留交渉、そしてカイル・タッカー外野手(28=カブスFA)、さらにはボー・ビシェット内野手(27=ブルージェイズFA)といったいまだ市場に出回っている複数のスターたちと水面下で結びつけられており「誰か1人でも決まれば〝確変〟する」という含みがある。

 加えて先発・ブルペンの補強余地も残され、シーズン開幕までの〝伸びしろ〟ならぬ〝動きしろ〟が評価に織り込まれている可能性は高い。

 要するにこの93%はあくまでも現状評価ではなく、これまでのヤンキースの歴史に基づく期待値と〝未確定要素〟が込められた中での数字だ。だからこそファンはざわつき、議論は尽きない。ただMLBでは予想外の流れが起こるのも常だ。静かな冬のヤンキースが、春に一気に牙をむくのか――。オッズが先走る今、答えはまだグラウンドの外にある。