WWEのスーパースター・中邑真輔(45)が、4日の新日本プロレス東京ドーム大会で現役を引退した終生のライバル・棚橋弘至(49)に〝ラストメッセージ〟を送った。オカダ・カズチカ(38=AEW)との引退試合で完全燃焼した棚橋の姿を米国から見ていた中邑は、改めて同じ時代を生きた者同士の絆を再確認。最後までかなわなかったリングでの再会、そしてこれからの棚橋に対し、キング・オブ・ストロングスタイルは今何を思うのか――。

 2000年代に苦境に立たされていた団体をともに支え、しのぎを削ってきた棚橋のラストマッチを見終えた中邑は、取材に対してしみじみと語り始めた。「一挙手一投足、次何が来る、何をやる…見ながら笑っちゃうくらい分かっちゃうっていうかね。リズムも、テンポも。懐かしい思いと、もうそれを体感、味わうことはできないんだなって思いながら見てました」

引退試合の棚橋弘至に全日本プロレス、イヨ・スカイ、NOAH、中邑真輔から届いた花
引退試合の棚橋弘至に全日本プロレス、イヨ・スカイ、NOAH、中邑真輔から届いた花

 試合中には棚橋が中邑の必殺技キンシャサを繰り出す場面も見られた。中邑は「そんなに気を遣わなくていいのにと思いましたよ」と笑ったが、そこには終生のライバルと呼ばれた2人の確かな絆があった。棚橋がレスラー人生の悲願だった「超満員の東京ドーム」で戦う姿を見て「お疲れさまでしたとか、良かったねって気持ちもあったし。まあ、その資格がある、というか、ふさわしいと感じましたね」と、約26年間のキャリアで積み重ねた努力に最大限の敬意を表した。

 引退試合の相手を務めたオカダにも感謝の言葉を口にした。「本当に重役中の重役を…。いろいろな思いはあったでしょうが『男だよ』と思いましたよ。棚橋弘至のグレイテストヒッツを引き出してくれて。何も色あせることなく、かつその先と言うか現在進行形も引き出してくれた」。「100年に一人の逸材」の最後の相手にふさわしいファイトを見せた後輩を絶賛した。

 16年1月に新日本を退団し世界最大団体WWEに主戦場を移した中邑にとって、棚橋との最後のシングル戦は15年8月のG1クライマックス決勝戦(両国)までさかのぼる。棚橋の引退試合で2人の再戦を願ったファンの声も多かったが、結果的に実現せず、この日の会場にも不在。それでも中邑は「できる限りのことはやったつもりですが…それがかなわなかったというのも(他に)課せられた使命があるのかなと。そういう捉え方をするしかないですね。それはそれでドラマチックかなと」と前を向く。

「棚橋さんの引退が決まって、引退試合(での対戦)を模索する中で、長年の付き合いではありますけど、それまでなかったつながりというものを感じた部分はあったので。本当に心の底からありがとうございましたと。これからも社長として、新日本プロレスのみと言わず、日本のプロレス界を盛り上げていってほしいなと思います」。中邑真輔と棚橋弘至、プロレス史に刻まれるライバルストーリーは永遠に色あせることなく、ファンの心に刻まれる。