今季2度目のサイ・ヤング賞に輝いたタイガースの左腕タリク・スクバル(29)を巡るトレード話が特に進行する気配も見えてこず、もはや「立ち消え」「消滅」などと一部でささやかれ始めている。だが、その裏でドジャースは依然として獲得に前向きになっている――。そんな水面下の動きを詳細に伝えているのが米メディア「ヘビー」だ。
スクバルは来季終了後にFAとなることから、それを〝盾(たて)〟に大物代理人のスコット・ボラス氏とともに長期かつ大型の破格契約を求めているとされる。一方、タイガースはその要求額に難色を示しつつも、完全に扉を閉ざしたわけではない。実際、米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は、タイガース側が「ドジャースの有望株を含むパッケージ」に強い関心を示していると報じている。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケイティ・ウー記者も「ドジャースは、望めばこの種のトレードを実行できる数少ない球団」と断言する。潤沢なファームシステム、先発投手層の厚み、そしてオーナーシップのヒエラルキーを誇り、時代の最先端を行く組織と圧倒的な資金力。スクバルを獲得した上で即座に契約延長まで持ち込める現実的な選択肢を持つ球団は、リーグでも限られている。
一方でレッズやナショナルズでGMを務めた現MLBアナリストのジム・ボウデン氏は「タイガースの要求額は法外」とし、今冬中の成立には懐疑的な見方を示す。ただし、7月末のトレード期限までは「このドラマは続く」とも語っており、完全決着は先送りされる可能性が高いと予想している。
それでもドジャースが「完全撤退」した形跡はない。むしろ沈黙こそが、最大の布石であり「嵐の前の静けさ」と見る向きもある。3連覇を狙う王者が、ローテーションにさらにサイ・ヤング腕を加える。その「世紀のトレード」が水面下で着々と準備されている可能性は、決して否定できない。












