米国で電力不足が深刻な問題となっている。11月上旬、米大手メディアが「カリフォルニア州サンタクララで、米大手データセンター(DC)開発会社が電力インフラ整備の遅れを背景に、建設がストップしたまま6年間が経過した」と報じた。

 サンタクララは、エヌビディアやインテルなどハイテク企業大手の本社が集う場所。シリコンバレーといえば、日本でも聞きなじみがあるだろう。そんな米国のハイテク開発の肝となる地域だけに電力需要は膨大だ。

米バージニア州にあるAWSのデータセンター、巨大な電力を消費する(ロイター)
米バージニア州にあるAWSのデータセンター、巨大な電力を消費する(ロイター)

 この電力不足問題は、日本もひと事ではない。2020年以降、クラウドや生成AIの開発が加速しているのは日本も同様で、やはり電力需要は右肩上がりで増加している。年初に開かれた資源エネルギー庁主導の調査会では、今後10年間の電力需要の見通しが前年に比べて5・8%上方修正された。DCや半導体工場の新増設の影響で、産業用電力需要の増加が想定を上回ったようだ。中でも、北海道と中国エリアの伸びが著しいという。

 これまで、DCは東京圏や大阪圏に集中していた。しかし、千葉ニュータウン駅前に建設予定だったDCが周辺住民の反対によって頓挫したほか、他地域でも随所でDC建設計画に反対の声が上がっている。そのため、今後DC建設は、「都市集中型」から「地方分散型」にシフトしていくだろう。

 そう考えると、やはり今後は地方を中心に電力の確保が急務となる。政府は、脱炭素電源による電力確保に向け、補助金や規制緩和を駆使して地方での電力インフラ整備に注力する方針だ。DC建設に関して立地面で優位性を持つ北海道が大型DCの誘致に積極的に動いていることから、今後は北海道で電力インフラ整備が急速に進むことが予想される。

 この一連の流れに関連する銘柄としては、やはり北海道電力(9509=1151円)は外せない。くしくも25日、鈴木直道北海道知事が、北海道電力が運用する泊原発の再稼働を容認する考えを表明。株価は目先急騰すると思われるが、この流れに乗れなかった場合は、急騰後の調整局面での押し目を狙いたい。

 穴株として、年初来高値を更新中で、以前当欄で取り上げたJESCOホールディングス(1434=1479円)や、プラント工事を手掛ける高田工業所(1966=1718円)などが挙げられる。北海道に拠点を持つ那須電機鉄工(5922)も割安感は強いが、流動性が低いうえ、購入単価が高い(1単位あたり約158万円)のが難点。(株価は25日終値)