格闘技イベント「ONE173」(16日、東京・有明アリーナ)で〝バカサバイバー〟こと青木真也(42)が、手塚裕之(35)に2ラウンド(R)28秒で無念のTKO負けを喫した。1Rは圧倒しながらの逆転負けだが、その表情は晴れ晴れ。その胸中に秘めるのは、2週間後に控える〝決戦〟への思いだ。重要な一戦を前に、敗れたといえども休息は与えられない。
青木は1Rこそ序盤に粘り強く組み付いてテークダウンし、背中に回り込むなど優勢に試合を進めたが、2Rになると流れが一変。スタミナを使い果たしたのか、動きが鈍くなってボディーを殴られヒザをつく。さらに上から額に拳を何発も振り降ろされて動きが止まり、レフェリーからTKO負けが告げられた。
試合後、青木は敗因について「(1Rを終えて)〝もういいや〟って、思っちゃったんだ。奥田啓介が降りてきちゃったよ…」と声をしゃがれさせる。そして格闘技の次戦については「ギャラ次第だ」とけむに巻いたが、セコンドのケンドー・カシンから「もう一丁だ!」とねじを巻かれて思わず苦笑いした。
敗戦にも吹っ切れたかのような笑顔を見せた青木だが、その目はすでにプロレスでの次戦を見ている。わずか2週間後の30日に、DDTの後楽園ホール大会でIWGP世界ヘビー級王者のKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介=30)と一騎打ちを控えているのだ。
実は青木にとって竹下は縁の深い相手。2018年ごろ初めて会ったとして、こう告白する。
「プロレスにおいての青木真也の話で『相手がサブミッションを嫌がったところで丸め込む…みたいな世界が面白いんじゃないか』って、言ってくれたことがあるんだ。そこから生まれたのがエイオキクラッチだからね。ある意味、あの技は竹下が生みの親でもあるんだよ」。一方で、竹下が米国・AEWへの挑戦を決めた際には相談も受けたという。「あの時に『今行った方がいいよ』って、背中を押せた一人なんだろうなとは思うよ」とメガネを光らせた。
そんな互いに敬意を持つ相手との試合だけに、青木は「それがこのタイミングでシングルっていうのは感慨深い。だからこそ、一番いいコンディションで戦いたかったんだ」。思い入れのある竹下戦を前に、格闘技戦を無傷で終えられた安堵の思いがあったわけだ。
12月6日には、GLEAT新木場大会でカシンと〝師弟タッグ〟を組み、中嶋勝彦&愛鷹亮との対戦も控える。敗れたものの、らしい〝物語〟を見せた青木の次なる大一番に注目だ。











