過日、遅い夏休みを取って宮古島へ行ってきた。この20年、日焼けが怖くて海水浴は避けてきたが、「宮古ブルー」と言われる美しい海を前に泳がずにはいられなかった。そして海に入って気がついた。トイレがやたらと近くなるのだ。単なる冷えかと思っていたら、「寒冷利尿」という生理現象が原因だった。冷たい水に入ると血管が収縮し、それによって体内の血液が中心部に集まる。その結果、腎臓の血流が増えて尿の生成が促進され、頻尿になる。加えて水圧で腹部が軽く圧迫されるため、膀胱の容量が減り、より尿の回数が増えてしまうというワケだ。
では、そこに酒が入るとどうなるのだろう? 言うまでもなく、アルコールによる抗利尿ホルモンの分泌抑制によって、尿の生成がさらに促進される。寒冷利尿と水圧、そしてアルコールのトリプル効果で、トイレが止まらなくなってしまうのだ。酒好きにとって海水浴にビールはつきものだが、頻繁にトイレに行くわずらわしさを考えると自ずと控えてしまう。
トイレに行くわずらわしさはさておき、ここでちょっと海やプールでの飲酒の危険性について伝えておきたい。アルコールで血管が拡張した状態で冷水に入ると、体温が急速に奪われ、筋肉が硬直して動かなくなる。さらに怖いのは、利尿による脱水で足がつりやすくなり、最悪の場合は溺死へとつながってしまう。海水浴で飲酒して溺死するニュースは、今でこそあまり聞かなくなったが、バブル時代はよく耳にした。実は私の知人も泥酔した状態で海に入り、帰らぬ人になっている。その恐怖が染みついているため、さすがの私も海では絶対飲まないと決めている。
年末年始、ハワイやグアムなどのリゾートに行く方もいるだろう。今一度、酔いの勢いで「少し泳いでくる」は、命がけの行為だと覚えておいて欲しい。酒を楽しむなら、海には入らない。泳ぐなら、飲まない。これを徹底しよう。












