ソフトバンク・城島健司CBO(49)が28日、今秋ドラフト会議で1位指名した米スタンフォード大・佐々木麟太郎内野手(20)の父で、花巻東高校野球部監督を務める佐々木洋氏を訪問した。

 この日、指名報告を行った城島CBOはまず「あいさつに伺いました。指名が間違いではなかったこと、彼に縁があったこと。この事実だけ(を伝えにきた)」と説明。「驚かせるようなことになったが、そうなってでも麟太郎くんに高い評価をしたということをお伝えしたかった」と強調した。

 公に城島CBOから語られたものの中で、唯一「新事実」があったとすれば、佐々木家の〝懸念〟だった。指名あいさつをひと通り終えると、自ら切り出す形でこう打ち明けた。

佐々木麟太郎の父、花巻東の佐々木洋監督
佐々木麟太郎の父、花巻東の佐々木洋監督

「一番心配されていたのは、親として日本とアメリカの大学とを〝てんびん〟にかけたようなことになっているのがすごく心配だと。実はそうじゃないんだ、と。それは我々が勝手に指名したことで生まれたわけです。僕の口から、自分たちが指名したことでこういう状況が起きたということはお伝えしたい」

 メジャーへの夢を抱きつつ文武両道の精神で海を渡った佐々木が来年7月のMLBドラフトの指名対象になり得る中で、NPB球団が交渉権を獲得した今回の指名は文字通り特殊な事例だ。ルールにのっとって指名したホークス陣営にも信念があってのこと。城島CBOは言葉を慎重に選びつつ、佐々木家の懸念に寄り添いながら1位指名によって生じた〝ジレンマ〟を明かした。

 今の佐々木にとって最も大切なことは、野球に集中できる環境を整えることだ。佐々木家の懸念をあえて明かしつつ「どちらを選ぶかは、彼の意見を尊重したい」とも繰り返した城島CBO。徹底して誠意を尽くすスタイルで、交渉期限を迎える9か月後に縁をつなぐことはできるか。