中日は31日の巨人戦(バンテリン)に延長10回、ボスラーの犠飛で7―6のサヨナラ勝ち。新外国人のマイケル・チェイビス内野手(29)が来日初アーチを放てば、4番・細川が9回に起死回生の同点2ランとクリーンアップが大活躍した。中日OBで本紙評論家の宇野勝氏は「点が入る雰囲気のチームになってきた。今年はクライマックスシリーズ(CS)に結構な確率で行けるんじゃないか」とドラゴンズの上昇ムードを予感している。

【宇野勝・フルスイングの掟】この日の勝利は中日にとって大きな転機になるのではないか。シーズン前半とは違って今のドラゴンズからは点が入りそうな雰囲気が出てきている。

 来日初スタメンのチェイビスは第2打席でアウトコース高めのストレートを左翼席へたたき込むと第3打席ではスライダーをライト前へ運んだ。もちろんまだ1試合だけだが、この日の試合を見る限り変化球にも対応できているし内容はいい。

 2点ビハインドの9回に細川が巨人の守護神・マルティネスから同点2ランを放ったのは素晴らしかった。だが、気になったのは3点リードの8回に巨人ベンチは大勢ではなく中川をマウンドに送ったことだ。二死一、三塁から岡林のタイムリーが出て2点差となったところで阿部監督は大勢にスイッチしたが、8回に点差を詰められたことが結果的に細川の同点弾につながっただけに8回頭から大勢がマウンドに上がっていたらどうなっていたか。

 前半戦はあまり点が入る雰囲気のなかった中日打線だが、ここにきて得点が期待できるラインアップになってきた。決定力のある細川、ボスラーにチェイビスが加わってクリーンアップは厚みを増した。2番の田中も調子を上げて打線がつながるようになってきたし、前半戦チームを引っ張ってきた岡林と上林も期待できる。そして下位打線の山本、石伊もしぶといバッティングができており、上位、下位のどこからもチャンスが作れるようになってきている。

 セ・リーグを見てみると首位を走る阪神以外はどのチームも得点を挙げるのに苦労している。巨人は岡本の不在がやはり響いているし、DeNAもホームランが減って昨年のような爆発力はなくなっている。カープも打線の勢いがなくなった7月は苦しんだ。

 ライバルチームがそういった状況にある中で陣容が整ってきた中日打線はここから得点力アップが期待できる。2012年を最後にCS出場のないドラゴンズだが、今年は結構な確率で行けるんじゃないか。そんな期待を抱かせるこの日のゲームだった。

(本紙評論家)