【ライガーが語る獣神激論(46)】新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は、19日に北海道・札幌大会で開幕する。A、B各ブロックに10選手がエントリーし、上位3選手が決勝トーナメントに進出。Aブロック1位はB2位とA3位の勝者、Bブロック1位はA2位とB3位の勝者とそれぞれ準決勝(8月16日、有明)で激突し、優勝決定戦(同17日、有明)の出場権を争う。獣神サンダー・ライガーの「獣神激論」は毎年恒例の特別編で、今年のG1覇者を予想する。

【Aブロック突破者=ボルチン・オレッグ、辻陽太、大岩陵平】

 Aブロックでまず名前を挙げたいのがボルチンですね。彼は3年以内にシングルのベルトを取るよと言い続けてきたけど、本当にNEVER無差別級のベルトを取ったじゃないですか。持っているものはケタ違いだし、責任感の強い男だから王者として出場することはプラスになると思う。

 棚橋弘至やタイチといったベテラン勢に注目が集まってるけど、始まってしまえば若い選手の勢いが勝るんじゃないかと思ってる。今年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で藤田晃生が最年少優勝したことで、大いに刺激を受けただろうしね。その中で上がってきそうだなと思うのが辻と大岩だね。

 ボルチンも含めた3人に共通するのが、体のゴツさ。特に大岩なんて昔のプロレスラーらしい体形というか、小杉俊二さんがダブるんだよね。藤田の同期だし、このG1にかけてるでしょう。

 辻も新世代の中では頭一つ抜けているように見えるけど、あれだけのビッグマウスを叩いてきて、もう俺の時代だろということを言いたいと思う。G1はその格好の舞台だから期待したいね。

【Bブロック突破者=海野翔太、鷹木信悟、ゲイブ・キッド】

 ここはまず海野に期待したい。凱旋帰国してからの勢いはすごかったし、今年の1月4日には東京ドームのメインにも立ったけど、ちょっとここのところ陰に隠れてしまっているのかなと。ここは流れを引き戻すチャンスだから逃せないね。

 2人目は鷹木。パワーも器用さもあって穴がない選手だけに外せないね。多くのベテランが「まだまだ若い者には…」って気持ちを持ってると思うけど、意地を見せるとしたら有言実行の彼だと思う。常にコンディションもいいし、俺を忘れてもらっちゃ困ると思ってるんじゃないかな。

 最後はゲイブ。失礼な話だけど、彼がここまで伸びるとは思わなかった。何より目がいいよ。アントニオ猪木さんの目をしてる。闘魂は目に宿るんだよね。あれだけの感情を見せられるのは、新日本プロレスの選手の中でも少ないよね。直接猪木さんから指導された人間でもできないことを彼が体現しているのは、LA道場でちゃんと教えを引き継いでいたんだなと思えますね。

【優勝者=ゲイブ・キッド】

 この6人から選ぶ中で僕が一番見たい優勝決定戦は、ゲイブ対ボルチン。外国人同士でG1決勝って過去にないシチュエーションだけど、ゲイブはLA道場、ボルチンは野毛道場でそれぞれ新日本イズムを学んだ、れっきとした「新日本VS新日本」なんですよ。しかもゲイブはGLOBAL、ボルチンはNEVERのベルトを持つ者同士、どっちが勝つんだかまったく分からない。

 でも、いま僕が「よく頑張ったなお前」って一番言いたいのがゲイブなんだよね。LA道場のリングで寝泊まりしてたって話を聞いたこともあるし、あの眼力を見れば苦労してきたがゆえに猪木さんが乗り移ってるんじゃないかとすら思える。国籍は関係ない。これが新日本プロレスという生きざまを見せてくれてる。相撲と一緒で「日本人は何やってんだ」じゃないんだよ。ゲイブやボルチンのような選手が新日本プロレスを体現してくれていることを、僕は誇りに思って見ていますよ。