日本ハムの〝マルチプレーヤー〟郡司裕也捕手(27)がシーズン中盤に差し掛かり、打撃の状態を上げ始めている。

 5月下旬までは打率2割台前半だったが、6月中旬から打率が急上昇。7月に入ってからはさらに好調モードに突入し、12日時点で6試合連続安打を記録するなど、打率を2割7分6厘にまで上げている。

 プロ5年目の昨季は、清宮幸の故障離脱の穴埋め役に抜擢され、捕手ではなく主に三塁手として活躍。これがハマって自身プロ最多となるシーズン127試合で打率2割5分6厘、12本、49打点を残し、球宴にも初出場した。

 だが、今季は本職での出場機会を増やす一方、シーズン開幕から日替わりで一塁、三塁、外野を任される起用が続くなど、難しい役回りを強いられている。その中でなぜ郡司は好調を維持できるのか。本人に聞くと「特別なことはしてませんが」と謙遜しながらも要因の一つに挙げたのが、相手の裏をかく頭脳的な「読み」だ。

 昨季、年間を通して試合出場したことで、相手バッテリーは郡司のデータを豊富に揃えている。その情報をもとに打席では執拗な警戒をしてくるようだが、郡司はその動きを活用しながら攻略の糸口を探り続けているという。

「相手の研究をあえて逆手に取る事もありますが、『この球が来たら次はこっちでしょ』みたいな探り合いをやったり。一応捕手なので、そういうのはなんとなくわかります。相手が勝手にいろいろと考えてくれるのはありがたい。そこを突いていく感じですね」

 さらに私生活で最愛の伴侶に恵まれたことも大きいという。

 今年1月に年上一般女性との入籍を発表。すでに新生活をスタートさせているが、この環境の変化もプラスに働いている。

「やっぱり家に帰って『おかえり』って迎えてくれる人がいるのは、違います。それに奥さんは野球は好きなんですけど、家では野球の事は何も言わないので。僕にはそれが最高なんです。もともと家には野球を持ち込まないタイプなので、野球に関するものも、自宅にはほとんどない。僕が結婚して引っ越しをする時に、奥さんの両親から家に野球のものがなさ過ぎて『本当に野球選手なのか?』と疑われたぐらいですから(笑い)。とにかく一緒に生活してストレスがない。これが一番ですね」

 新庄剛志監督(53)はそんな郡司の打撃を生かすべく、11日の試合からは中堅守備にも挑戦させている。これには本人も「今までの人生でセンターは一度も守ったことがなかったんですけど。自分の引退までに(守備位置を)全制覇しますよ」と苦笑いを浮かべるが、公私共に充実する今なら問題ないだろう。

 つかの間の休日となる7月下旬の球宴期間中は、夫婦水入らずでの北海道旅行も計画している。

「昨年は(球宴出場で)行けませんでしたからね。リフレッシュにあてます」 この調子なら…。〝難役〟続きでも引き続き好成績を残す可能性は高い。