参院選(7月3日公示、20日投開票)を前に怒涛の駆け込みラッシュだ。参政党は日本維新の会を離党した元フリーアナウンサーの梅村みずほ参院議員の比例代表での公認を内定した。社民党はタレントのラサール石井を同じく比例代表で擁立した。少数政党が生き残りをかけて、あの手この手で奮闘している。

 参院選で全45選挙区、比例に9人擁立の大攻勢をかける参政党が公示直前に待望の現職議員の獲得に成功した。梅村氏は参院選大阪選挙区で維新の候補者を選ぶ予備選に敗北後、「党のガバナンス不全」をぶちまけ、4月に離党していた。自民党や国民民主党からの出馬がウワサされていたが、28日付で参政党への入党が決定。比例代表で擁立される予定で、30日に正式発表される。

 同党の神谷宗幣代表による梅村氏擁立の原動力となったのは「議員5人条件」を満たすためだ。参院選では日本記者クラブや民放各局で党首討論会が開かれる。3年前の参院選では議員1人しかいなくても国政政党の要件を満たしていれば参加可能だったが、昨年の衆院選から「5議席以上、直近国政選挙で得票率2%以上のいずれも満たす」の条件に変更となったことで、参政党や社民党は呼ばれなくなっていた。

 今回の参院選でも5人条件を満たさない国政政党に参政党(議員4人)、日本保守党(議員3人)、社民党(議員2人)が該当し、7月2日に行われる日本記者クラブ主催の党首討論会に招待されないことが通知されていた。

 神谷氏は「全選挙区に候補者を擁立する参政党が呼ばれないのはおかしい」と怒りの声を上げていたが、それならばと中ぶらりんだった梅村氏のスカウトに動き、5人の国会議員を確保した。

 5人条件は民放各局も横並びで採用しており、参政党はすべての党首討論会に参加できる見込みとなった。神谷氏は「参政党は若い層やネットを知っている方には届いていたが、高齢者には届かなかった。民放に出してもらえば届く」と話している。支持率上昇の追い風に乗る中で、梅村氏の獲得は値千金の一手となった。

 社民党も参院選前に希望の光が差し込んだ。「前身の日本社会党から続く歴史ある政党で、一定の組織票は見込めるものの支援者の高齢化が著しく、参院選のたびに2%以上の得票ができるか崖っぷちに立たされています」(永田町関係者)

 参院選比例代表には大椿裕子副党首ら4人の候補者が出馬予定だが、大きく個人票を獲得できる候補者は見当たらずに苦戦が予想されていた中、全国的な知名度を誇るラサール石井の擁立に成功した。

 2日前に公開した同党のYouTubeで、福島瑞穂党首は「社民党、面白くなります。面白くします。あなたも一緒に社民党を面白く、政治を変えていきましょう」と〝面白い〟を連呼。ラサールは隠し玉だったようだ。党のキャッチフレーズは「Reboot(再起動)2025」で、ラサールが死に体の同党を存続させることができるか注目される。