〝二軍の帝王〟では終われない。ソフトバンクで今季プロ4年目を迎えた育成出身の山本恵大外野手(25)は、開幕から二軍で打率4割超えと猛アピール。4月12日に念願の支配下登録を勝ち取った。しかし、一軍では9打数無安打と結果を残せず同月26日に二軍に降格。それでもファームでは今もなお4割近い打率で結果を残し続けている。再び一軍の舞台へ──。若鷹の胸中を直撃した。

4月には支配下登録された山本恵大(右)
4月には支配下登録された山本恵大(右)

 ──結果を残し続けている

 山本 また一軍が上がるには、周りより打って、目に見える数字を出さないといけない。主力がリハビリから戻る中で一軍に上がるのは難しいと思うので、結果にもこだわってやりたい。

 ──支配下登録から一軍の期間を振り返ると

 山本 すごく悔しかったですし、苦しい期間だった。何にもできなくてチームに貢献できなかったので。期間は長く感じました。でも、その中でもすごくいい経験、ここが一軍だっていう経験をさせてもらったので、次上がる時の準備はしっかりしていきたい。

 ──支配下→即一軍というのは良かった

 山本 良かったですね。育成の時は「一軍に行きたい」っていう思いはあったんですけど、実際どんな場所かもわからなくて。(経験したことで)何をしないといけないかが明確になって「本当、やらないとな」とすごく思わされた。

 ──一軍の違いは

 山本 お客さんの人数も違うし、投げてる投手の人生もあるじゃないですか。二軍よりもより結果が求められる舞台。守備で自分じゃなかったら取れる打球が取れない、それがすごくプレッシャーというか。周りにも迷惑がかかるので。

 ──降格した時の心境は

 山本 仕方ないなと思いましたね。楽天戦のカード2戦目で抹消になったんですけど、その日は試合前練習をして、ケータリングをおなかいっぱい食べて(笑い)。(一軍に登録されている時は)緊張してあんまり食べられなかったんです。あの時は緊張の糸が切れました。

初昇格では「一軍の壁」を味わった
初昇格では「一軍の壁」を味わった

 ──一軍の経験を今二軍でどうやって生かしている

 山本 一軍と二軍の緊張感はどうしても違うので。自分でどうやって一軍の舞台を想定してできるか。一軍では「打たないと、打たないと」となってなかなか結果が出なかった。同じような気持ちを二軍で作って取り組んでいる。一軍ではなかなか甘い球も来ないので、逃さず一球で仕留めることもすごく意識しています。

 ──今の目標

 山本 一軍に上がって戦力になる。やらないといけないと思うので、年齢的にも今年26歳で、ずっと二軍にいるわけにはいかない。若くないじゃないですか。他球団では同世代で活躍している選手もたくさんいる。支配下で満足せず、一日でも早く一軍に上がれるように。

 ──26歳という年齢

 山本 (新人の)宇野や石見は10代、すごいですよね。最近は胃もたれとかも…(笑い)。あんまりイライラしなくなって、落ち着いたかもしれないです。学生の時とかは打てなかったら、すごくイライラしていたんですけど、穏やかになったなと。

 ──筋トレが好き

 山本 学生の頃から好きですね。きっかけはモテたくて始めたんですけど(笑い)。当時は体脂肪率も7、8%くらいまで絞って。今は野球に必要なトレーニングをしています。

 ──大学時代は

 山本 高校3年生の時にケガして、最後の大会に出られなくて。その未練があって大学でも野球を続けたんですけど、今振り返れば、下級生の頃はあまり真剣に取り組んでなかったかもしれない。飲み会したりバイトしたり…。居酒屋、警備員、ブライダル、引っ越し…いろんなバイトをやりましたね。でも、コロナがあって、自分を見つめ直した時に、もう一回ちゃんと野球やろうと。コロナがなかったら、野球も辞めていたかもしれないです。当時のキャプテンも気にかけてくれましたね。

 ──今年の3月には結婚した

 山本 打てなくて暗い顔して家に帰りたくないので。そのためにも打たないとなっていうのもありますし、頑張るしかない、少しでも幸せにしてあげられれば。

 ──ホークス外野陣は激戦区だが

 山本 レギュラー陣にどう割って入っていけるか。まずは結果を出すこと。信頼してもらえるような選手になることが大事だなと思います。

 ☆やまもと・けいた 1999年8月6日生まれ。東京都小金井市出身。右投げ左打ち、外野手。背番号77。身長183センチ、体重86キロ。国士舘高3年時はケガの影響で最後の大会に出場できず。明星大に進学すると、4番として打線をけん引した。2021年育成ドラフト9位でホークスから指名を受けた。プロ1年目は二軍で7試合に出場。2年目には左ヒザの手術を受けた。今季は春先から二軍戦で結果を残し続け、ファームでは38試合の出場で打率3割8分2厘、4本塁打、20打点(6月15日現在)。