ドジャース・大谷翔平投手(30)の二刀流復活に〝異論〟が向けられ、球界内で波紋を引き起こしている。

 打ってはメジャー屈指の長打力、投げてはサイ・ヤング級のポテンシャル――。

 投打両面で無限の活躍が見込まれる大谷に対して再び「投手」への復帰が現実味を帯び始めているなか、米スポーツ専門局「ESPN」は12日(日本時間13日)に「ドジャースは大谷翔平の腕力が必要だが、今のところは打撃で十分だ」とのタイトルで特集記事を展開。故障者続出の投手陣にあえぐド軍の現状を伝えつつも、大谷の起用法を巡る球団の慎重な姿勢を浮き彫りにした。

 ドジャースは今季すでに30人以上の投手を登板させており、10日(同11日)の敵地パドレス戦のマウンドには〝スーパー・ユーティリティープレーヤー〟のエンリケ・ヘルナンデス内野手(33)を送り込む事態にまで発展。かつての投手王国は影を潜め、エース候補だったタイラー・グラスノー投手(31)、ブレイク・スネル投手(32)も故障者リスト入りするなど投手層は危機的状況だ。

 だが、それでも球団首脳陣は「大谷の打撃優先」を明言。アンドリュー・フリードマン球団運営部長(48)は「彼には今後9年間、最高の投球をしてもらう。そのためには長期的視点が必要だ」とあくまでも慎重な姿勢を貫くことを強調している。

 その一方で、大谷本人はすでに3度のライブBPをこなし、90マイル台中盤の速球、鋭いスイーパーを披露。デーブ・ロバーツ監督(53)は「オールスターブレイク前の登板はゼロに近い」としながらも「完全否定はしない」と微かな含みを持たせた。

 2023年の右肘手術から約22か月。順調な回復を遂げる中、大谷の意思と球団の方針が〝交錯〟している。打者・大谷は今季すでに20本塁打超え、OPSは1.000超え目前。主軸として絶対的な存在である一方、盗塁数は昨季以前と対比させると明らかな減少傾向にあり、コンディション面でのマネジメントの難しさも浮き彫りになっている。

 前出「ESPN」は「大谷は野球という競技を愛している。だからこそ、どちらも全力でやろうとしている」と評しながらも、今季の投手復帰に関して「彼が万全の状態になるまでは一歩引く勇気も必要。チーム事情を優先させることに気を取られ、復帰時期を間違えてはいけない」と警鐘を鳴らしている。

 忍耐か、情熱か――。大谷の右腕が〝準備万端〟となる日を待つしかない。