阪神・石井大智投手(27)が6日のオリックス戦(甲子園)同点の9回に2番手として登板したが、先頭・広岡の痛烈なピッチャー返しが右側頭部に直撃。担架に乗せられたまま球場外に待機していた救急車で病院へ緊急搬送された。あまりにもショッキングな一幕に4万2637人の大観衆も水を打ったように静まり返った。

 試合後の藤川球児監督(44)は「チームドクターに診てもらって意識もはっきりある状態。今は念のためにCTを撮るために病院に行っている。やはり脳、頭なので今の症状と今後の症状と、経過を見守らないといけないので」と沈痛な表情で状況を説明した。チームは1―0で延長10回にサヨナラ勝利を収めたが、この日ばかりは勝敗は二の次だ。

 今後の経過次第だが、ここまで24試合に救援登板し防御率0・36という驚異的な数字を残してきたエースリリーバーの戦線離脱は避けられそうにない。ここ数試合は正守護神・岩崎の代役としてセーブシチュエーションを託されることも増えてきた背番号69。この日の出番も0―0と同点の9回。ホームゲームのセオリーにのっとれば、〝クローザー格〟の投手が登板する場面だった。

 12球団屈指の陣容を誇るブルペン陣を「チームの心臓」と位置づけてきた藤川虎だからこそ石井の離脱はあまりにも痛すぎる。「右が足りない」と4日の日本ハム戦(エスコン)終了後に指揮官がこぼしていた通り及川、桐敷、岩崎と強力な左中継ぎ投手を3枚手元にそろえているが、現時点で鉄火場のマウンドへ信を置いて送り出せる中継ぎ右腕は石井と湯浅の2枚だけだった。翌5日に岡留、石黒らをファームから再昇格させたばかりだが、当面のブルペン運営は判断に迷うであろう局面が増えていくことが予想される。

 この日の勝利で貯金を今季最多の12まで伸ばした猛虎は、セ首位を順調に快走中。今は投打が一丸となって石井の無事の復帰を待つしかない。