【取材の裏側 現場ノート】角界では現役力士が引退後、日本相撲協会に残って年寄(親方)となるためには、いくつかの条件がある。日本国籍であることに加えて「年寄名跡」を取得することが必要だ。

 ジョージア出身で元小結の臥牙丸氏(38)は2020年に引退後も日本に残り、異例のセカンドキャリアを歩んでいる。22年3月に自身のYouTubeチャンネル「ガガちゃんねる」を立ち上げて、現役時代の経験談などユーモアを交えて発信。本人の明るく親しみやすいキャラクターもあり、視聴者から大きな人気を博している。

 大相撲では現役力士が車を運転することが禁じられている。自動車好きの臥牙丸氏は引退後から教習所に通い、普通免許と準中型免許を取得。今年4月に投稿された動画では、栃木・小山市で中古タイヤの輸出業を営んでいることを明かした。

 臥牙丸氏はかつてのインタビューで「子供のころから車に携わることが、めちゃくちゃ好きだった。引退して自分で運転できるようになったし、車関連の仕事をしたいとずっと思っている。車をきれいに洗ったり、お客さんが求めている車を届けたり、そういうのができればいい」と熱く語っていた。

現役時代は200キロの巨体を誇った臥牙丸氏(2019年)
現役時代は200キロの巨体を誇った臥牙丸氏(2019年)

 自身の愛車は黒のレクサスだという。都内では混雑が激しい首都高など運転が難しいコースも多い。「都内の運転も大変ではない。(日本)国民の皆さんが真面目で危ない運転もめったにないので。(交通)ルールは大事だし、車はカッコつけるために乗るものじゃないから」と安全運転を第一にしている。

 臥牙丸氏はYouTuberとして発信を続ける一方、愛する自動車関連で2つの夢がある。「(メルセデス)ベンツのゲレンデ(ヴァーゲン)に人生で一度は乗ってみたい。『乗り心地は悪い』と言われるけど(車の)形が好きすぎて。お金があったら買いたい(笑い)。あと、キャンピングカーを運転して全国を回りたい」と熱望した。

 第2の人生で相撲界と〝決別〟する道を選択した臥牙丸氏の挑戦に、これからも注目したい。(運動部・加田晃啓)