西武が8日現在で開幕から31試合を終え16勝15敗の貯金1、首位・オリックスと2ゲーム差の3位につけている。

 昨年の同時期は借金9を抱え込み2桁借金の入り口に立っていたことを思えば、チーム再建は順調といえるだろう。

 数字が大きく改善されたわけではない。チーム打率2割3分6厘はリーグ4位、援護率2・68はリーグ最下位。チーム総得点83も同5位だ。少ない得点力をリーグ屈指の投手陣(チーム防御率2・57=同2位)がしのぎながら接戦をものにしているのが、ここまでの展開となっている。

 ただ、その中でも昨年との決定的な違いは、得点圏打率が2割2分1厘(同6位)から2割5分8厘と、ここまでリーグトップの数字をたたき出していることだろう。

 新人ながら得点圏打率4割9厘の勝負強さを発揮する渡部聖と、同2割9分6厘のネビンが新3、4番を形成。その主軸を中心に24年目のベテラン・中村剛(3割1分3厘)も奮闘している。

 それを支える献身的なベンチワークも見逃せない。新任の仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ(53)は味方の攻撃中、常にベンチ最前列で出場全選手のチャートを付けながらリアルタイムで戦況を分析している。 

 同コーチは「試合のチャートは全部付けてます」としながら、その意図を「とりわけ点が取れない試合だと、一巡して『こういう攻められ方をしているから、こういう風なところに狙いをつけていこうか』という話ができるので。そのためにやってます」と語る。

 中でも密にやりとりをしているのは西川、長谷川、渡部聖ら売り出し中の若手たち。仁志コーチは「そこまで(頻繁)じゃないですけども、ちょっと行き詰まっている時はどの選手もそう」と語っており、アドバイスのタイミングを図っているという。

 とりわけチャンスに強い渡部聖は応用も利き、狙っていない球にも対応できるという。「彼はそういうこともできる。こちらが言った通り、相手が投げてくるわけではないので。こういう狙いでいこうか、といったら『分かりました』と言って。たまに『この球狙っていきます』という時もありますし」とも打ち明け、頼もしいルーキーの応用力に脱帽する。

 データ班を含めた裏方スタッフ、ベンチワークが一体となってチームの再建は進められている。