MLBで話題の〝移籍候補〟が注目の舞台に立つ。マーリンズのサンディ・アルカンタラ投手(29)が、5日(日本時間6日)から本拠地ローンデポ・パークで行われるドジャースとの3連戦初戦に先発予定だ。2023年10月にメスを入れた右肘のトミー・ジョン手術からのリハビリ課程2年目で苦しむ22年サイ・ヤング賞右腕が、移籍先の1つとしてウワサされるドジャースを相手に揺れる胸中でマウンドに上がる。

 インド系米メディア「スポーツキーダ」によると、マーリンズのピーター・ベンディックス編成本部長(39)はこのタイミングで、アルカンタラの去就について注目の発言を行った。

「彼は確かに今、打ち込まれている。本人も納得していないだろうが、それでも私は何の心配もしていない」。そう語った上で「復帰の道のりは一直線じゃない。完全に健康になっても、コマンド(制球力)が戻るには時間がかかる。だからわれわれは彼に忍耐を求めている」とも続け、アルカンタラの周辺で何かとささやかれるトレード移籍説を暗に否定しつつ全面的な信頼を表明した。

 アルカンタラは24年シーズンを全休し、今季からMLBのマウンドに復帰。だが、ここまで6試合に登板し、2勝3敗、防御率8・31、WHIP1・65と苦しんでいる。4月29日(同30日)の前回登板では、皮肉にも対戦相手だったドジャースを前に2回2/3で自責点7。5与四球、被本塁打1の乱調で15失点惨敗の引き金となってしまった。

 そのアルカンタラが、再びドジャース相手に先発を託されるという事実――。マーリンズ首脳陣の中で、彼の存在がいかに変わらぬ〝エース格〟として位置付けられているかを物語っている。

「肉体的には問題ない。でも、チームが自分を必要としている時に何もできないことが悔しい」と本人は語る。トミー・ジョン手術後の「壁」と闘うアルカンタラにとって、今回の登板はまさに試金石。しかも相手はメジャー屈指のスター軍団であり、去就を巡って名前が取り沙汰されるドジャース――という巡り合わせ。仮にこのマウンドで〝復活ののろし〟を上げることができれば、その価値は現時点以上に跳ね上がることは間違いない。

 ベンディックス編成本部長の言葉通りに「完全体アルカンタラ」は必ず戻ってくるのか。それとも何だかんだと言われながらも結局のところ、ドジャースなど他球団への移籍の道を歩むことになるのか。苦悩の続く右腕が全米注目の先発マウンドに向かう。