ドジャースは28日(日本時間29日)、タイラー・グラスノー投手(31)が右肩の炎症のため負傷者リスト入りしたことを発表した。今季5試合目の先発となった27日のパイレーツ戦で、2回の投球練習中に違和感を発症して緊急降板。度重なる故障に悩まされてきた右腕にとっては、落胆の大きい登板となってしまった。

 脆弱なイメージを振り払い、チームに貢献すべくオフから投球フォームを見直すなど改善に努めてきた。手応えをつかんだ矢先のアクシデントだけに、右腕の傷心は想像にかたくない。「ロサンゼルス・タイムズ」のドジャース番であるジャック・ハリス記者は同紙で、グラスノーを襲った故障の連鎖を悲劇的に伝えた。

 まずハリス氏は、グラスノーがオフに背骨の角度、リリースポイント、長い手足を使った投球の背後にある思考プロセスを変更したことなどを説明。故障がちな自らと向き合い、課題を克服しようと懸命に歩みを進めてきた姿をたたえた。

 体に負担のかからない投球フォームを手に入れたと思われたグラスノー。本人も「体調はずっと良くなった」「動きがスムーズになった」と手応えをつかんでいた。だが、開幕からわずか1か月で悲劇は繰り返された。今季も健康にフルシーズンを戦えない現実に、本人の落胆は当然ながら大きい。

 ハリス氏は、グラスノーのもどかしさをこう伝えた。「最もいら立たしいのは、冬の間に彼が健康に気を配った変化に原因があるかもしれないということだ」。手応えをつかみ、取り組みへの自信が確信に変わりかけていた矢先のトラブルだった。

 2021年にトミー・ジョン手術を受け、昨季はシーズンを棒に振る右肘の腱炎。肘への負担を考慮し、これまでの投球動作を見直し、新しい投球フォームを手に入れ「自分が取り組んだ作品に本当に満足している」と語っていた。だが、開幕5試合目の先発、1イニングを投げた直後に積み重ねてきたものがもろくも崩れ去った現実。ハリス記者は「ケガを防ぐために長年やってきたことを変えると、他のことが優先されてしまうんだと思う」「ある部分に負担がかかりすぎて、それを別のことで補おうとする。何が起こっているのか、何が起こっているのかさえ分からない。ただ、なぜ新しいことが起こっているのか、その理由を解明しようとしているだけなんだ」という本人の言葉を伝えた。

 ドジャース強力先発陣にあって、重要な立場にある31歳。その責任感がオフのトレーニングを後押ししてきた。だが、再び訪れた悲劇と試練。現時点で復帰時期などは未定で先行きは不透明な状況だが、まずは軽症であることを願うばかりだ。