パ・リーグ連覇を目指すソフトバンクがスタートダッシュに失敗した。24日時点で8勝11敗1分けと勝敗もさることながら、近藤、柳田、正木と野手陣を中心に故障者が続出。開幕時とは別の戦い方を余儀なくされている。小久保裕紀監督(53)ら首脳陣にはどんな考え方が求められるのか。球団OBで本紙評論家の加藤伸一氏に話を聞いた。

【加藤伸一・インハイアウトロー】ホークスの主力どころ、実績のある人たちも年を重ねている。一昨年、昨年の活躍を願ってしまうが、どうしても下降線をたどるものだ。FA制度を見てもそう。143試合というのは近藤や柳田、今宮にしてもなかなか難しい。そこはある程度の想定が必要だ。

 他球団とも対戦カードがひと回りした。本来はこの辺りで相手への対策や戦い方が本格化してくるが、ホークスのチーム状況を踏まえれば、今は他球団がどうのよりも自分たちの戦い方を確立させることが優先される。

 よく「故障者」の報道が毎年出るが、それは12球団どこも同じ。早めにこうしたことが起きたことを、逆にプラスに働かせたいところだ。早めにケガがあったことで選手たちはより慎重に体をメンテナンスし、シーズンを乗り切ろうという意識になる。首脳陣としても、ペナントの大事な時にこうした事態が起こらないように、トレーナーも含めて選手を休ませながら強化していく必要がある。

 ペナント後半の優勝を争っている時期にメンバーがガタガタッとくると少し厳しいが、春先は故障者を別にしても、若い選手をどんどん使える、使わなくてはならない時期。若い選手には「よし、今に見てろ。俺が実績上げてやる」という心持ちでやってほしい。レギュラーになる選手でも最初から舞台は与えられているわけではない。

 今いる野手でいえば佐藤直樹、プレーひとつに伝わるものがある。ドラフト1位で入団して、クビになって一度育成へ。今一軍から外されたら、もうノーチャンスという必死さが伝わる。彼を見て他の選手がどう感じるか。ああいうプレーを見ていたら応援したくなるし、小久保監督もうれしいのではないか。

 柳町や広瀬など、ホークスでなかなかチャンスが巡ってこないが、一軍で戦う力を持っている選手が多くいる。十分戦える戦力がそろっているのだから、他球団にはない戦力の厚さをうまく活用したい。シーズンは143試合。他球団は「今のうちに」という意識でいるはずだが、どこかでしわ寄せがくる。ホークスとしては焦りは禁物だ。自チームの勝率、上位の勝率を見ながら、勝率5割をキープするくらいの意識で戦ってほしい。