陸上女子100メートル障害の元日本記録保持者で2021年東京五輪代表の寺田明日香(35=ジャパンクリエイト)が〝涙ながら〟に胸中を明かした。
15日に都内で行われた会見では「今季をもって競技者としての第一線を退くと決意した」と表明。「引退」の二文字を避けた理由については「全国の陸上競技場を回りたいという一つの夢があった。競技場を回って、いろんな世代の競技者とガチンコレースをしたい。秋以降も来年までしっかり冬季練習をするので、引退という言葉を使わない」と語った。9月の世界選手権(東京)の出場を目指し、秋以降に普及活動を本格化させるという。
18歳から日本選手権を3連覇するも、相次ぐケガで一度は引退。陸上が嫌いになり、練習に行くのも苦痛になったという。それでも、結婚、出産、7人制ラグビーへの挑戦を経て、19年から再び陸上の世界に帰ってきた。「今年が終わっていないので何とも言えないが」としながらも「(代表選手同士の)雰囲気づくりだったりとか、やりたいことがある程度できた。陸上競技場に行って、具合が悪くならない自分になったのは本当に大きなこと。陸上の良さを自信を持って伝えられるようになった。本当に悔いがない」と声を詰まらせた。
寺田が19年に日本女子初の12秒台をマークしたことで、全体のレベルが向上。田中佑美(富士通)、福部真子(日本建設工業)や青木益未(七十七銀行)らが寺田の背中を追いかけてきた。「個人競技だけど、全体的にレベルを上げるには一人の力じゃ難しい。やっぱりみんながみんな代表チームに入りたいと思ってもらえるような雰囲気づくりを、困っている人がいたら引き上げられる存在になりたいと思っていた」。今季が寺田のラストシーズンとなるが、ベテランハードラーは多くの遺産を後輩たちに残した。












