陸上の日本選手権1万メートル(12日、熊本・えがお健康スタジアム)で、女子の広中璃梨佳(日本郵政)が〝復活〟を印象づけた。

 2021年東京五輪で7位に入った実力者だが、24年パリ五輪はケガの影響で出場できず、一時は大好きな陸上に嫌気がさすこともあったという。それでも、この日は大雨に負けじと先頭集団でレースを展開。「ちょっと雨で冷えもあって動きがハマらなかったので、後半にしっかり切り替えようという気持ちで走った」と粘りを見せ、終盤にスパート。最後は笑顔でゴールに飛び込んだ。

 世界選手権(9月、東京)の参加標準記録(女子=30分20秒00)を突破することはできなかったものの、31分13秒78で2大会ぶり4度目の優勝。「たくさんの声援が力になった。去年はトラックレースを走れず悔しい思いをした分、今回帰ってこられてすごくうれしい」と声を弾ませた上で「最後まで自分らしくしっかりスパートをかけられた」と安堵の表情を浮かべた。

 今後に向けては「こうやって声援を感じながら、これからもどんどん広中璃梨佳の走りを見てほしい。このレースをきっかけとしてまたステップとしながら、自分のレースに磨きをかけたい」と宣言。世界選手権切符奪取へ、新たな物語を紡いでいく。