トランプ大統領は米現地時間の9日午前0時1分(日本時間は午後1時1分)、日本24%、欧州連合20%など60の国と地域に「相互関税」を発動させた。一部の国との交渉準備を進める一方、世界的な貿易戦争を深めている。特に中国相手には104%と突出。ウクライナ戦争をめぐっても米中間にキナ臭い見方が浮上している。
発動時点ですでに輸送中の商品は、5月27日までに米国に到着するものに限り、関税の適用が免除されるという。そのため、関税の直接的な影響はすぐには感じられないかもしれない。しかし、その先は大きな影響がありそうだ。
トランプ氏は「米国を搾取している国」を標的としたと断言。相互関税が貿易赤字まみれの米国経済を活性化させ、より公正な世界秩序をもたらすと述べている。一方、経済学者や企業幹部は、世界不況につながると指摘している。
何より苦しむのは、米国だという分析もある。米メディア・アクシオスによると、イェール大学予算研究所は、関税により平均的な米国の世帯の可処分所得が年間約3800ドル(約55万円)減少すると見積もっている。これは平均値であり、実際には関税は実質的に最貧困家庭に対する逆進的な税金となるという。
米国事情通は「専門家たちは、トランプ氏が発表した関税レベルを半年間続ければ、米国経済は深刻な問題に陥るだろうと指摘しています。その関税がトランプ氏の任期中続いて米国が弱体化すると、生き生きとするのが中国です。中国が台湾を武力制圧する機会を与えることになるという見方もあります。習近平国家主席は、2027年の3期目の任期終了までに台湾問題を解決したいと常々述べてきたので、時期が一致しています。中国が台湾に攻め入っても、その時には東アジアの米軍を減らしているかもしれず、米国はすぐに対応できないかもしれません」と語る。
そのような不穏な観測も出る中、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、東部ドネツク州での戦闘でロシア軍に参加していた中国人兵士2人を拘束し捕虜にしたとして、Xに「ロシア軍の部隊には、2人よりはるかに多くの中国国民がいるという情報がある」と投稿した。
中国はロシアに対してウクライナ戦争で支援しているとされてきたが、兵士を派遣してはいない。武器の支援など軍事援助をかたくなに否定している。
もしこの中国人兵士が個人の志願兵ではなく、人民解放軍の兵士だとしたら、中国の深慮遠謀かもしれない。
「人民解放軍は1979年以来、戦闘経験がありません。実戦経験がないことで、米国は人民解放軍を甘く見ているところもあります。もし先を見据えて、人民解放軍がひそかにウクライナで戦闘経験をしているとすれば、米国の計算が狂うことになるでしょう」と前出事情通は話している。












