ついに最高峰の舞台に立った。ドジャースの佐々木朗希投手(23)が19日、カブスとの「MLB東京シリーズ」の開幕第2戦(東京ドーム)に先発。記念すべきメジャー初登板は3回1安打1失点も、5四球と制球が定まらなかった。
温かいまなざしを背に、初回から160キロの剛速球を連発。鈴木との日本選手対決ではこの日最速の163キロも計測した。慣れないMLB球、ピッチクロックだけではなく、高揚感や緊張もあったのだろう。3回の失点シーンは3連続四球による押し出し。後続を連続三振に斬って複数失点は許さなかったが、想定の4イニングに及ばない早期降板には悔しさが残ったはずだ。
それでも「メジャーのいい打者に対して自分のパフォーマンスができた」。明るい未来を切り開くべく、後ろ向きなコメントは一切しなかった。
高校時代に163キロをマークした令和の怪物はロッテで5年間プレー。昨オフにポスティングシステムを利用して世界一軍団・ドジャースに加入した。最短ルートで憧れ続けたメジャーへの挑戦となったが、その過程では難しい決断もあった。
2019年7月25日、高校野球岩手大会。不世出の剛腕の名が野球界を飛び越え、一気に世間に広まった。大船渡のエース・佐々木は、花巻東との決勝戦で一球も投じることなく終戦を迎えた。中学時代からの仲間と夢見た甲子園まであと1勝と迫りながら、故障予防の観点から指導者の判断で登板回避。いまだにくすぶる賛否両論が巻き起こった。
事実、当時のチームメート全員が「決勝回避」の選択を良しとしたわけではなかった。捉え方、受け止め方は人それぞれ。悔しさを胸にしまい込み、佐々木の目標である「世界一の投手」を後押しした仲間たちがいる。
「受け止めきれなかった人間もいると思う。朗希の中にも申し訳なさは残っていると思う。僕らは朗希にしか歩めない道を歩んでほしい」
当時のチームメートの一人は佐々木の苦悩を理解し、そう背中を押した。ポスティングを容認したロッテへの恩返しもある。メジャーでの快投を仲間たちが見守っている。











