フィギュアスケート男子で五輪2連覇を達成したプロスケーター・羽生結弦(30)が7日、自ら座長を務める「羽生結弦 notte stellata」(宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ)の初日公演を開催した。自身も被災した東日本大震災から11日で14年。羽生の故郷である宮城県の村井嘉浩知事が本紙の取材に応じ、復興の象徴として活動するスケーターに感謝の言葉を寄せた。
 
 練習拠点のアイスリンク仙台で被災した羽生は、失意の中で一筋の光となった星空への思いを滑りに込めた。決して苦しみが癒えることはないが、少しでも誰かの力になるために、全身全霊をささげた。「今日が千秋楽なのかなというぐらい全体力と気力を使い果たした」と神妙に語った。

 2023年に始まった当公演は今回で3回目となる。村井知事は「過去2回の開催では、県外だけでなく海外からも大勢のファンが来県された。県民にとってだけでなく、来県した多くの方々にとっても、被災地に思いをはせる機会になり、震災の記憶と教訓を伝承する上でも効果がある」と指摘。風化を懸念する声が高まる昨今において、故郷愛を胸に活動する羽生の存在は大きいという。

 実際に当公演の情報発信を通じ、東日本大震災に関する情報も数多く発信されている。村井知事は「当公演は羽生さんの東日本大震災での経験を踏まえ『少しでも人々が笑顔になるきっかけになれたら』との思いが元になっていると伺っている」と明かしつつ「故郷である宮城県のことをずっと思って当公演を開催していただけることは、県民にとって大変心強く、必ず笑顔につながるものだと思う。5年、10年と長く続けていただきたい」と願いを込めた。

 かねて復興活動に尽力する羽生は「少しでもこの会場で滑っているメンバーと全員で、3・11やいろんな災害に対してできることを、何かのきっかけになるようにと願いながら、祈りながら滑らせていただいた」。月日が流れても、故郷を思う気持ちは永遠に変わらない。