トランプ大統領は4日夜(日本時間5日)、米国議会議事堂の上下両院合同会議で施政方針演説を行い、「アメリカンドリームはかつてないほど大きく、より良くなっている」と述べた。演説の中で、ウクライナのゼレンスキー大統領から手紙を受け取ったこと、そしてロシアのプーチン大統領が「和平の用意ができている」ことを明らかにし、戦争を終わらせると誓った。一方、ゼレンスキー氏には策略があるという。
2月28日の米ウクライナ首脳会談は激しい口論となり、失敗に終わっていた。トランプ氏は3日、ウクライナへのすべての軍事支援を停止した。
するとゼレンスキー氏はトランプ氏の施政方針演説前に、大統領執務室でのトランプ氏との口論について遺憾の意を表明し、いつでも、都合の良い形式で米国との鉱物資源協定に署名する用意があると述べた。トランプ氏は演説でこのことに触れ、「戦争終結のために米国の支援を懇願する手紙を(ゼレンスキー氏が)書いた」と明かした。
また、ゼレンスキー氏はXに「ホワイトハウスでの会談は、予定通りには進まなかった。このような結果になってしまったのは残念だ。今こそ事態を正すべき時だ。今後の協力とコミュニケーションが建設的なものになることを望んでいる」と書いた。Xはトランプ氏が大好きな媒体だ。ゼレンスキー氏がかなりトランプ氏にすり寄っていると言えるだろう。
実際、米国の主要メディアは「ゼレンスキー氏が和平交渉のテーブルに戻るのに十分な意志を示した。和平への道に、トランプ氏の強いリーダーシップの下で取り組む用意があるようだ」という論調で報じている。
しかし、ロシア事情通は「トランプ氏がロシア寄りなのを前提にしたゼレンスキー氏の策略という見方が出ています」と指摘する。
ゼレンスキー氏は声明を発表し、「われわれは戦争を終わらせるために迅速に行動する用意がある。第一段階は捕虜の解放と空中停戦(ミサイル、長距離ドローン、エネルギーやその他の民間インフラへの爆弾の禁止)であり、ロシアが同様の措置を取れば、海上でも即時停戦となるだろう。その後、われわれは次の段階を迅速に進め、米国と協力して強力な最終合意に至りたいと考えている」とした。
ゼレンスキー氏はまず空中と海上停戦を行い、最終合意が成立するまでは、陸上での軍事作戦を継続するというプランのわけだ。ここに策略が隠されているという。
前出事情通は「実は現在、ウクライナ側の被害の多くは、空中ドローンとミサイルによってのものです。ロシア側もこのことは分かっています。だから、ゼレンスキー氏はプーチン氏がこのプランを拒否する可能性が高いと踏んでいます。そして、ゼレンスキー氏と欧州の首脳らはトランプ氏に対し、『交渉を拒否しているのはロシアであり、ロシアに圧力をかけ、共同でウクライナへの軍事援助を継続する必要がある』と伝える計画を持っているようです。欧州諸国としても、トランプ氏が和平交渉を急ぎ、ウクライナの一部を占領したロシアに有利なままに終わるのはおかしいととらえているからです」と指摘している。












