【ロサンゼルス11日(日本時間12日)発】ドジャースの大谷翔平投手(30)は前人未到の「50本塁打―50盗塁」達成にカウントダウン状態だ。そんな中、米メディアが注目しているのがナ・リーグのMVP争い。メッツのフランシスコ・リンドア内野手(30)が急浮上しているのだ。個人成績で圧倒している大谷が過去に受賞者のいないDH専任であることが要因だという。DHはMVPレースでマイナスなのか。9~11日(同10~12日)にドジャースと3連戦を戦った鈴木誠也外野手(30)ら〝中立〟のカブスナインに聞いた――。

 個人成績は大谷の圧勝で「50―50」達成が視野に入り、チームも10日時点で地区優勝へマジック13だ。一方、リンドアは遊撃手としての総合力、ワイルドカード争いを演じているチームへの貢献度が評価されている。

 近年のMVP投票で重視されているWARではbWARは大谷がリーグ1位の7・2、リンドアは3位の6・5だが、fWARはリンドアはリーグトップの7・2で大谷は2位の6・8だ。多くの米メディアは大谷が守備に就かないDH専任であることを接戦の原因に挙げている。DH専任のMVP受賞者は歴代ゼロだ。そこでカブスナインに大谷がMVPを受賞できるか聞いた。

 同学年で仲の良い鈴木は「(大谷は)DHですけど、やっぱりホームランで盗塁をあそこまでしてとかっていうのは、それこそまた誰もができることではないですし…。盗塁は足が速ければできる、技術があってできる人もいるかもしれないですけど、ホームランっていうのはパワーがあったりだとか、色々な面でも難しいところもある。そういった意味では、もうちょっとで50―50もできそうですし、そこなのかな」と強調。その上でリンドアを絶賛し、「どっちになってもおかしくないんじゃないかなと思います」と明言を避けた。

 クリスチャン・ベタンコート捕手(33)は「(ポジションはどこであろうと)プレーしていることに変わりはないからね。打撃だけだろうと、毎日フィールドに出なければならない。それは僕らと同じ」と即答。

 1番打者のイアン・ハップ外野手(30)は「ショウヘイが50―50を達成したら、彼を選ばない理由がなくなる。リンドアは素晴らしいシーズンを送っているけど、大谷が一番人気なのには理由があるよね」と指摘するとこう続けた。

「彼(大谷)の生産性には文句のつけようがない。今年は一刀流だけど、50―50は歴史的な偉業。誰かが歴史を塗り替えたら、僕らはそれをリスペクトしてたたえるべき」

 遊撃手のダンスビー•スワンソン内野手(30)は「DHが取るためには逃げ勝ちするというか、歴史的にかなりスペシャルでないとならないと思うけど、それを僕らは今まさに目撃していると思う。DHはMVPになっちゃいけないとか、中継ぎがサイ・ヤング賞をとったらダメとかって100%のルールはない。時に、僕らは誰がすごいと議論するのをやめて、もっと感謝した方がいいと思う」と断言。もっとも、「自分に投票権があったら、リンドアの可能性についてかなり吟味すると思う」と付け加えた。

 ヤンキース時代に大谷に2打席連発を食らっているジェームソン•タイヨン投手(32)は「ピッチャーがMVPを取るのと同じ感じだと思う。スペシャルなシーズンである必要がある。そして大谷の50盗塁、50本塁打はそれに値する。守備をすることは大きな価値があるが、彼があれだけ打っていたら、(守備は)関係ない。(ヤンキースの)ジャッジがDHでもMVPだと思うよ」と断言した。

 9日の第1戦に3番手で登板したドルー・スマイリー投手(35)は「確かに、考慮すべきポイントではあると思う。リンドアは毎日遊撃手をしながら成績を残しているわけだから。でも、それと同時に投手である自分は、大谷がヒジのリハビリをしながら打撃をやっているという点を強調したい」と語ると驚きの色を隠さない。

「自分も含め多くの投手が経験があり、その間は試合に出ず、ひたすらリハビリやトレーニングだけしかしない。すごく野球と切り離された気分になるんだ。それを大谷は毎日DHで出ながら、50―50も達成しようとしていて、普通の選手には想像もできないことだと思う。投手としてマウンドへ上がるためのリハビリをしながら打者をやるなんて、どうやっているんだろう、なんてクレイジーなんだって思わずにはいられない」

 カブスナインは歴史的偉業を達成しようとしている大谷のMVP受賞を当然と考えている。