カギは〝奇襲攻撃〟にあり――。卓球の世界選手権団体戦(2月、韓国・釜山)で、日本は女子が銀メダル、男子が8強入りし、パリ五輪団体戦の出場権とシングルス2枠を手にした。最初の難関をクリアした一方で、男女ともに難敵・中国に敗戦。東京五輪の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼氏(34)が取材に応じ、打倒・中国に向けた秘策を明かした。

 異国の地で躍動する選手たちに、列島中が歓喜に沸いた。女子は決勝で中国と激戦を演じ、早田ひな(23=日本生命)が陳夢に、平野美宇(23=木下グループ)が王芸迪に勝利。2―3で敗れたものの、絶対的な強国を大いに苦しめた。

 1日に東京五輪の選手村跡地に完成した商業施設「ららテラスHARUMI FLAG」のオープニングセレモニーに参加した水谷氏は、盛り上がりを見せる卓球界の現状について「ブームの火付け役になれたことは本当にうれしい」としながらも「まだまだやっぱり自分たちが思い描いてる卓球ブームは来ていない」と課題を口にした。

 各競技が注目を集めるには、世界のトップで活躍することが一つのカギになる。開幕まで5か月を切ったパリ五輪を前に「やっぱり五輪は結果が全てだと思う。東京五輪ができすぎなところもあるかもだが、目標はやっぱり男女ともに全種目でメダル。特に女子の場合は金メダルというのも視野に入っていると思う」との見方を示した。

 女子が中国を追い詰め、男子も中国に0―3で敗れるも、各選手が奮闘。今後は王国もさらに日本対策を練ってくる公算が高い。だからこそ、水谷氏は「今まで通りやっていても、今までと同じような結果しか生まれないと思う。中国が想定していないような秘策を編み出して、試合で使っていけたらチャンスがあるのでは」と進化の重要性を説いた。

 水谷氏が選手の立場だった場合はセオリー外の戦術を練るという。「卓球はサービス、レシーブが命。新しいサービスやレシーブを編み出すことが一つと、セオリーがある中で、例えばショートサービスとロングサービスを混ぜて戦うことが多いが、ロングサービスしか出さないみたいな、ちょっとセオリーを無視してるような戦い方、奇襲攻撃というか、今まで世界を見ても誰もやったことのない試みをやる必要があるのでは」と分析した。

 頂点に立つためには、中国の壁を崩すことが必須となる。あっと驚くプレーで日本卓球界の歴史を塗り替えることはできるか。